第25話 no:vama kilno 闇の戦い

elna zepega kadsuma o:tife asuyzo.

エルナは父の熱い血を浴びた。


jen,tanjuva zev.

いまは逃げねばならない。


gow,matoga tavma e+gazo.

だが、彼女は体の動きを止めた。


bomoga 'had tarsefma kilno'zo dog.

「あの酒場の戦い」を思い出したからだ。


had so:rolnxe ot su:je era nub mi:fe.

あのときと状況がほぼ同じなのである。


'tanli un.no:va era fe+kes ja:m ers o:layalm a:mofe su:jetse'

『訓練、その一。闇は敵が圧倒的に多い状況では味方だ』


uldonsuma yurfa se+kilm abowa.

老人の言葉が聞こえるように思える。


"gxaaaaaaaaaaaaa"

「ぎゃあああああああああ」


"mato:r!"

「やめろっ」


"narha! erv ra:cus!"

「馬鹿! 俺は仲間だ!」


"napreys zuves vim e+sxezo! magdi!"

「誰か俺の足を斬りやがった! くそ!"


un kul ba+tin del asrobas duyfum solca gastaneszo.

一つだけ燃えている松明がわずかに洞窟を照らしている。


dog 'no:vce vols" socum mefnos ci sewrama pe+sxezo.

だから「黒い狼」はすぐにセゥラの位置に気づいた。


'tanli dew.eln ma+du mig pa:ldida no:vatse'

『訓練、その二。白い服は闇ではひどく目立つ』


lagt se+kilm fikuga yu:jenartisma yurfazo.

また傭兵の声が聞こえたような気がする。


"se:li se:li se:.....gahaaaaaaawwww!"

「セーリ・セーリ・セー……がはああああ!」


sewrama yuridyurfa matoga.

セゥラの呪文が止まった。


nomil,zemgega re foy.

おそらく、殺されたのだろう。


now,elnama koksa ganliga ned.

だが、エルナの心は動揺しなかった。


un zemnariaresa zemna.

一人のゼムナリア信者が死んだ。


ers kul.

それだけだ。


yem 'no:vce vols" kilnos del no:vanxe.

まだ「黒い狼」は闇のなかで戦い続けている。


sikigi a:mofe ga:rozo.

たくさんの悲鳴が聞こえた。


ers aln du:lamsuma miznut.

彼がすべての不幸の原因である。


gow,wamfig mogoga ci ned azuz.

だが、なぜか彼を憎めなかった。


jen,uldons kilnos zemnariaresile.

今、老人はゼムナリア信者と戦っている。


ta elna sekigi me:fe yu:jesma zertigama vatsiszo.

そしてエルナは新しいユージェスの法力の詠唱を聞いた。


kozfiya ci ned.

信じられない。


yem,yu:jes solos li.

まだ、ユージェスは生きているのだ。


"vim zerosa,zemnaria...fov tom..."

「わが女神、ゼムナリア……我は欲す、汝の……」


now,elnama yuridyurfa fulnum idedega.

だが、エルナの呪文が先に発動した。


"se:li azantu vi:do!"

「セーリ・アザントゥ・ヴィード!」


sewruma a:zen zuves yu:jesma tavzo.

風の刃がユージェスの体を切り裂く。


"oooooo..."

「おおおお……」


yu:jes gxunogo.

ユージェスがうめいた。


"wam...bu:ros ers madsama...solu:sama kodk..."

「なぜ……団長が母の……ソルーサの仇だぞ……」


"'no:vce vols' kilnos del vam tsem"

「『黒い狼』は私のために戦い続けている」


"gow...aln ers..."

「だが……すべては……」


"vekav li...now,selnas ned tel.ers va ta 'no:vce vols'ma mende..."

「わかってる……けど、あなたには関係ない。これは私と『黒い狼』の問題……」


"vis...vis..."

「俺は……俺は……」


ta sa:picoyum yu:jes zemgo.

そしてあっけなくユージェスは死んだ。


zemno era mig sa:picofe.

死はひどくあっけないものなのだ。


payu vekeva li zemno era tsas sa:picefe.

もう死は常にあっけないものであることは理解していた。


pa+pots,la+tas si:nas.

ふいに、あたりが静まり返った。


hesis tavzo wogfigle.

誰かに体を抱きしめられた。


ers mig sobce,vu+can.

ひどく冷たく、ごつごつしている。


solu:sama...madsama e+ga zemtav era.

ソルーサの……母の動死体だ。


ers tic gobdon wogno.

おぞましい行為のはずだ。


gow,hanzesum ers ja:yefe.

だが、不思議と快い。


zemtav cuchas ci ned.

死体は話すことは出来ない。


elna wamfig mi:suyiga.

エルナはなぜか涙を流し始めた。


"madsa...madsa...madsaaaaaaaaaa!!!"

「お母さん……お母さん……お母さあああああああああん!!」


bo:sol ze:mnon madsa ta so:lon tansa hesiya del tsal.

しばらく死んだ母と生きた娘は互いに抱きしめ続けた。


"elna"

「エルナ」


tigas yujugu.

ティガスが言った。


"vo nediv sup colpo"

「俺たちはここを出るべきだ」


ta elna losxuga.

そしてエルナは気づいた。


"no:vce vols ers cu?"

「黒い狼は?」


"had uldons solos li.ers magboga cedc uldons"

「あのじいさんは生きているよ。怪物みたいなじいさんだ」


tigas ti:ralm yujugu.

ティガスが驚いたように言った。


"elna..."

「エルナ……」


uldons so:ltas elnale.

老人はエルナに近づいてきた。


"vis...ya:ya,aln ers vim langol.yujuv ci ned tel yazdav fog..."

「俺が……ああ、すべては俺の責任だ。俺には赦してくれなんて言えない」


"vekava"

「わかっています」


elna andas.

エルナがうなずく。


"vomova menxa:r vam madsale.ta...yu:jesle"

「私の母に謝ってください。そして……ユージェスに」


uldons umotsas cafzo.

老人は顔を歪めた。


"menxev...solu:sa...menxev...yu:jes...ned...menxev go ci ned...ooo...gaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!"


「済まなかった……ソルーサ……済まなかった……ユージェス……いや……謝りきれない……おおお……があああああああああああああああああっ!!!」


'no:vce vols" sa:mulm garowa del.

「黒い狼」は悲しげに叫び続けた。


yikde solu:sama zemtav borega elnapo.

やがてソルーサの死体がエルナから離れた。


"uldons...tenav yol 'azroba asro mark'zo colle"

「じいさん……俺はここに『爆裂火球』を使うつもりだ」


elna sxalva li era mig tigan asroyuridus.

エルナはそれがきわめて強力な火炎魔術であると知っていた。


"e+ga zemtav set,minpacilm zaglis go ci.dog,tanjuto sav colpo vocho"

「動死体でも、一瞬で破壊される。だから、ここから俺たちと逃げよう」


"...ne+do"

「……駄目だ」


'no:vin vols' yujugu.

『黒い狼』は言った。


"mig guzav.ta woniv zev langolzo.zamiv colnxe.vim tu+kocho..."

「俺はひどい怪我だ。そして責任をとらねばらない。俺はここで死ぬ。俺の罪とともに……」


tigas nadhugu.

ティガスがため息をついた。


"bac vomoto jodzo..."

「もしあんたがそれを望むなら……」


"...ne+do!!!"

「……駄目です」


elna me+galm basxuga uldonsma powzo tsatse.

エルナが怒ったように手で老人の頬を叩いた。


"gomwizum zemno:r ned!! solo:r! yem soloto del! nafato fozuto zemnotse ci+tsopo! yajova ci ned honef ko:radzo! solo:r!"

「勝手に死なないでください! 生きなさい! あなたはまだ生き続けるんです! 死で苦しみから解放されると思いましたね! そんなのは許しません! 生きなさい!」

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