第24話 no:va 闇

"eto narha!"

「お前ら、馬鹿だな!」


tigas yujugu.

ティガスが言った。


"elfasum zemnaria zereys vego? ne+do! aln ers tic zereysuma dosva! gozunas ci reysuma koksama zemkoszo zemnarima zertigatse! nomil,'no:vce vol' tenes re jod zertigazo!"

「たまたまゼムナリアの僧侶がやってきた? 違うね! すべて僧侶の陰謀に違いない! ゼムナリアの法力で人の殺意を強められる! たぶん『黒い狼』はその法力を使われたんだ!」


"ers foy.gow,ers te+jis 'no:vce vols yeg zemkoszo solu:sale'.had zertiga indis 'a:van zemkoszo reys kul"

「かもしれない。だが、『黒い狼が殺意をソルーサに抱いていた』のが重要なんだ。あの法力は殺意を持つものにしか効果はない」


tigas santugu.

ティガスが黙り込んだ。


"ticev kodkuzo.ta sewra fi:knega e+kefe ko:radzo.len so:rol yelnas.gow,ers mig fanfe ko:rad"

「俺は復讐を誓った。そしてセゥラが素晴らしい方法を思いついた。長い時間がとなる。が、とても魅力的な方法だ」


"fff,u:tusum,erig len so:rol...now,'no:vce vols' umas eren u:bodizo!"

「ふふふ、実際、長い時間だった……だが『黒い狼』は凄まじい絶望を味わうことになる!」


ers tems.

それは本当だ。


aln yalvigi e+zema u:rja sur.

すべて自分の嫉妬から始まったのだ。


ta ers cod ovaset.

そしてこれが結果だ。


reys ozuras e+zele.

人は自分に嘘をつく。


ta somc kozfis o:zurazo tems tus.

そしてときおり嘘を真実だと信じるのだ。


elna lamsum sologo tic bac urjev ned nxal.

もし自分が嫉妬しなければエルナは幸福に生きていたに違いない。


"vis..."

「俺は……」


"vomova savu:r"

「待って」


rapdasum elna yujuga.

突然、エルナが言った。


"no:vce vols...dubemote vaz cu?"

「黒い狼……あなたは私を忘れたんですか?」


melrum ers ned.

もちろんそんなことはない。


aln ers...

すべては……。


"wam kilnoto ned cod magben reysile cu?"

「なぜあなたはこの忌まわしい連中と戦わないんですか?」


elna mega foy.

エルナは怒っているらしい。


"vam du:lamsuma miznut era tom wogno.dog...avto langolzo wonto vaz lamsule.vim na:fa era yatmi cu?"

「私の不幸の原因はあなたの行いにあります。けど……あなたは私を幸福にする責任があります。私の考えは間違いでしょうか?」


av langolzo.

俺には責任がある。


elnama yurfa era se+gxon.

エルナの言葉は正しい。


yazda ned tic viz.

彼女は俺を赦さないに違いない。


now,woniv zev langolzo.

だが、俺は責任を果たさねばならない。


"hahahahaha! ers fanpon! langol? cigito elnacho wons langol tsem cu?"

「ははははは! こりゃ面白い! 責任? あんたはエルナと責任をとるために結婚でもするのか?」


gu+zas hures.

グッザスが笑った。


"ers fanpon ned da:vka.elna ajema re zemnariale"

「面白くもない冗談だ。エルナはゼムナリアに捧げられる」


yu:jes nedigi kanartiszo.

ユージェスは短剣を取り出した。


zemgas yol e+zema tansazo had kanartistse.

己の娘をあの短剣で殺すつもりなのだ。


"yu:jes! era tom tansa! ne+do! era to ta solu:sama tansa! mato:r! solu:sa samuwa tic!"

「ユージェス! 彼女はお前の娘だ! いや! お前とソルーサの娘だ! やめろ! ソルーサが悲しむぞ!」


"to...to yujuto jodzo!"

「貴様が……貴様がそれを言うか!」


yu:jes forfogo kanartiszo.

ユージェスが短剣を振り上げた。


dalum solu:sama zemtav ega da.

ゆっくりとソルーサの死体が動き出す。


ligs ma:tolm mava yu:jesma wognozo.

まるでユージェスの行為を止めるかのように見える。


"wam...?"

「なぜ……?」


yu:jes bulves ca:rizo.

ユージェスが声を震わせた。


"wam...ers kodk! mogoto tic had reysuzo! bu:ros zemges tuz!"

「なぜ……奴は仇だ! お前はあの男を憎んでいるはずだ! 団長がお前を殺したんだぞ!"


ta uldons susve losxugu.

そして老人はようやく気づいた。


yu:jes teminum mogos elnazo.

ユージェスは本当にエルナを憎んでいる。


elna era solu:sama tansa.

エルナはソルーサの娘である。


enhum,era madsa.

つまりは母親だ。


uld,yu:jes masxugnes solu:sazo.

昔は、ユージェスがソルーサを独占できた。


gow,masxuges ci ned solu:sama la:kazo egselega elnazo tsem.

だが、エルナが生まれたので彼はソルーサの愛を独占できなくなったのだ。


ta 'no:vce vols' losxugu wam e+ze zemges solu:sazo.

そして「黒い狼」はなぜ自分がソルーサを殺したか気づいた。


gomwizum abogo magsxes fog solu:sazo ze:mgatse.

ソルーサを殺すことで独占したいと身勝手に思っていたのだ。


abogo erv u:tav za:ce reys.

俺は最低の人間だと思った。


dog fatikov zev tu+kozo.

だが罪を贖わねばならない。


merlum,elna kap solu:sa kap yazdav tic viz.

もちろん、エルナもソルーサも自分を赦しはしないに決っている。


now,cajos zev elnazo.

だが、エルナを助けなければならないのだ。


"aaaaaaaaaaaaaa!"

「あああああああああああああああ!」


'no:vce vols' volugu.

「黒い狼」は吼えた。


ligs ers temin no:vce vols cedc.

まるで本物の黒い狼のように。


"arsa:r!"

「放て!」


gu+zas fa:ncalm garogo welzadile.

あわてたようにグッザスが山賊たちに叫んだ。


mifsolum a:mofe jas asres.

一斉に無数の矢が放たれる。


fikus o:tife e+tezo tavma ilmofe pe+sxenxe.

熱い痛みを体のあちこちで感じた。


gow uldons fajus del yu:jesle.

だが老人はユージェスにむかって走り続けた。


yu:jes vatsis da zertigazo.

ユージェスが法力を唱え始める。


"zemnaria,vim zerosa! vis fov tom..."

「ゼムナリア、我が女神! 我は汝に求める……」


welzadi mig dengxuwa foy.

山賊たちはひどく混乱しているらしい。


un jas zesxas zemnariama zereysuma yudzo.

一本の矢がゼムナリアの僧侶の腕を貫いた。


"magdi!"

「くそっ!」


yu:jes lagt tavas vatsizo.

ユージェスは再び詠唱を試みた。


gow,'no:vce vols' kages yu:jesma cuyle.

しかし、「黒い狼」がユージェスの首に噛み付いた。


a:mofe asuy bosxowa da li.

大量の血が噴出していく。


"ag...ne+do...eto...temin gurf...cu...?"

「あぐっ……そんな……お前は……本物のけだもの……か……?」


'no:vce vols' tokugu kanartiszo yu:jesma tsapo.

「黒い狼」はユージェスの手から短剣を奪った。


"tigas! no:vazo!"

「ティガス! 闇を!」


socum tigas losxugu foy ye:nizo.

すぐにティガスは意味を理解したようだ。


tigasma yuridyurfa erig mig kan.

ティガスの呪文はひどく短かった。


asro duftas asrobaspo batigi del gastanesma ilmofe pe+sxenxe.

洞窟のあちこちで燃えていた松明から火が消える。


la+tas cemsos mig mo:gan.

あたりがひどく暗くなった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る