第17話 a:jema 生贄
elna afnolum votega del.
エルナは呆然と立ち尽くしていた。
nap had reys ers cu?
あの男は誰だ?
az wob yujus li zo cu?
彼はなにを言っている?
reys nedigo cafzo co:bopo.
男はフードから顔を出した。
ers mig fon,hxu:rafe reys.
ひどく背の高い、痩せた男だ。
casma: era eln.
髪は白い。
uldons erig.
老人だった。
cod reys saglas napreysule.
この男は誰かに似ている。
ta losxuga.
そして気づいた。
reysuma caf mig sagla elnale.
男の顔はエルナによく似ているのだ。
"yu:jes..."
「ユージェス……」
'no:vce vols' yujugu.
「黒い狼」が言った。
"nazc...sologo del...ta gajum ajemas e+zema tansazo..."
「まさか……生きていたのか……そして本気で自分の娘を生贄に捧げるのか……」
e+zema tansa.
自分の娘。
yu:jenartis mujnatum yujugu.
傭兵は確かにそう言った。
elna abaga cod yu:jes ers foy vam kads.
エルナはこのユージェスが私の父らしい、と思った。
"ya:ya.dog noblogiv za sewrale vim tansazo"
「ああ。だからセゥラに私の娘を育てさせた」
sewra era elnama sxumetisama marna.
セゥラはエルナの師匠の名である。
"hxadato re hosle...ned,zemnariale"
「お前はホスに……いや、ゼムナリアに憑かれているのか」
"erv foy.melrum ers.jen erv zemnariama zereys teg"
「だろうな。当然だ。今の私はゼムナリアの僧侶なのだから」
yo:yol vekega li cod su:jezo.
だんだんこの状況がわかってきた。
vam kads erig zemnariama zereys.
私の父はゼムナリアの僧侶だった。
sxumetisa noblowa elnazo zemnariama a:jema tus.
師匠はエルナをゼムナリアの生贄として育てたのだ。
ulf,sxumetisa kap era foy zemnariaresa.
あるいは、師匠もゼムナリア信者なのかもしれない。
judnik di+salm fikuwa.
世界が崩壊するように感じられた。
kozfiya ci ned.
信じられない。
kozfiya fog ned.
信じたくない。
"haha...ers o:zura...aln els o:zura!"
「はは……嘘よ……そんな嘘よ!」
rxafsa garowa.
少女が叫ぶ。
"eto ned vam kads! sxugito tic vaz!"
「お前は私の父親じゃない! 私を騙しているに決まってる!」
"ne+do"
「いいや」
yu:jes ers mig fumo.
ユージェスはひどく落ち着いている。
"sxugito re jod reysule.'no:vce vols"...ers zowce reys.lakas ze:mgazo.ta jod reys zemges tom madsazo...solu:sazo"
「お前がその男に騙されているんだ。『黒い狼』……奴は冷酷な男だ。殺人を愛している。そしてその男はお前の母を……ソルーサを殺した」
"ne+do"
「違う!」
lagt elna garoga.
またエルナは叫んだ。
"vomova yuju:r had reysuma yurfa era aln o:zura!"
「あの男の言葉はみんな嘘だって言ってください!」
now,uldons yujugu.
だが、老人は言った。
"ne+do.had reysuma yurfa era se+gxon.zemgev solu:sazo...tom madsazo"
「いや。あの男の言葉は正しい。俺がソルーサを……お前の母親を殺した。
rxafsa mxunosoga o:wizo va+bistse.
少女は衝撃で吐き気を覚えた。
"losxugiv ned...solu:sa ta yu:jes ko+zolm zertogo zemnariazo...azi neg yu:jenartisle zemgas a:mofe reysi tsem...ta,losxugiv temsule..."
「気づかなかった……ソルーサとユージェスはひそかにゼムナリアを信仰していた……彼らは多くの人々を殺すために傭兵になったんだ……そして、俺は真実に気づいた……」
"gow yazdav ned tuz.zemgeto vim solu:sazo! tanjugiv topo ba:boma elnacho! ta moksev elnazo sewrale! alov li sewrale! nobloga go elnazo va:rin sewruyuridresale! zemnariama ansosin zertiga yas.yelnas decris a:jsma a:van go+zun tigazo jarnicama yuridresazo!"
「だが私は貴様を許さん。お前が私のソルーサを殺したのだ! 私は赤子のエルナとともにお前から逃げた! そしてエルナをセゥラに預けたんだ! セゥラには感謝している! エルナを見事な女風魔術師に育て上げたんだからな! ゼムナリアの特殊な法力がある。十六歳の強い力を持った処女の女風魔術師を必要とするものだ!」
zertiga ers yuridus cedc zereys tenas.
法力は僧侶が使う魔術のようなものだ。
ilmofe zertiga yas gow zemnariama ansosin zertiga selnas tic rxo:bin ze:mgale.
さまざまな法力があるがゼムナリアの特別な法力は恐ろしい殺戮にまつわるものに違いない。
"zemgas fa foy decsxas ant reysizo.ers e+kefe!"
「千人くらいの人間は殺せる。素晴らしい!」
aboga cod reys ahxas.
この男は狂っていると思った。
now,ers vam kads.
だが、私の父なのだ。
madsa kap ega: zemnariaresa.
母もゼムナリア信者だった。
rxafsa dermolm fikuga e+zezo .
少女は自分が呪われているように感じた。
sxumetisa nobloga vaz a:jema tus.
師匠は私を生贄として育てた。
now,tenava ci tigan yuriduszo.
だが、私は強力な魔術を使える。
ta losxuga batkotsole.
そして、異変に気づいた。
rapdasum,la+tas kotsoga sinale.
突如、あたりが静かになったのだ。
sxumetisa tenega tic yuridyurfazo nalpesnxe.
師匠がどこかで呪文を使ったに違いない。
a:mofe yuridres rxobis sewruyuridreszo cod yuridyurfa a:rali teg.
多くの魔術師が風魔術師をこの呪文の存在で恐れている。
lombus re "sina" tus.
「静寂」と呼ばれるものだ。
ku+sin yuridres vatsis yuridyurfazo.
普通の魔術師は呪文を唱える。
gow "sina" wons ci ned vatsizo sewruma tigatse.
だが「静寂」は風の力で詠唱を出来なくするのだ。
yu:jes eges gxutzo sinace judniktse.
ユージェスが静かな世界で口を動かした。
nomil,tenas ci zemnariama zertigazo yas yuridyurfama indi a:madma oztunxe teg.
たぶん、呪文の効果範囲の外にいるのでゼムナリアの法力が使えるのだろう。
rapdasum,aln cemsogo no:vale.
いきなり、すべてが真っ暗になった。
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