第12話 sxumetisa 師匠

elna kozfiga fog za e+zele lakeva re sxumetisale.

エルナは師匠に愛されてきたと自分に信じさせたかった。


u:tusum,sxumetisa sxagega elnama lakin casma: kul.

実際には師匠はエルナの銀色の髪を褒めてくれただけだ。


"ya:ya...sxumetisa mogoga vaz.gow vekeva ci ned wam mogova re sxumetisale" 「ええ……師匠は私を憎んでいました。でもなぜ師匠に憎まれたのかわかりません」


uldons darum yujugu.

老人は低い声で言った。


"tom sxumetisa era foy vim da:sxoma...solu:sama o+da.

「お前の師匠は俺の友達の……ソルーサの妹だろう」


elna tirega.

エルナは驚いた。


"tom da:sxoma...o+da?"

「あなたの友達の……妹?」


"wob tom sxumetisama casma:ma juln erig cu?"

「お前の師匠の髪は色はなんだった?」


"ers lakis cedc soln casma:..."

「銀色がかった金髪で……」


"sxumetisa ega: lakfe resa cu?"

「師匠は美しい女だったか?」


elna tayega.

エルナは答えた。


"...ega: ned lakfe..."

「美しくはありませんでした……」


uldons badum kotsowa cafzo.

老人は苦い顔をした。


"uld,sekigiv sud solu:sale.un moyeta ya:.moyeta kap era yuridresa"

「昔、ソルーサに聞いたことがある。一人、妹がいると。妹も女魔術師だ」


elna sxelga ned aln metsfigzo.

エルナはなにも知らなかった。


"vam sxumetisa ega: tom da:sxoma moyeta...enhum sxumetisa ega: vam madsod..."

「私の師匠はあなたの友達の妹だった……つまり師匠は私のおばだった……」


"yem ers ned holts..."

「まだ確実ではないがな……」


yu:jenartis yujugu.

傭兵が言った。


elna fikuwa a:josozo.

エルナは疑問を感じる。


"bamel,tom da:sxo selos li cu?"

「ところで、あなたの友達は生きているんですか?」


"vekava ci ned.rapdasum duftega"

「わからん。いきなり消えた」


"duftega?"

「消えた?」


"ya:ya"

「ああ」


wamfig ers mxuln.

なにかが妙だ。


'novce vols' cosos fog ned foy 'da:sxo" meg.

黒い狼は「友達」について語りたくないのかもしれない。


elna jinmiga.

エルナは尋ねた。


"selna zemgate ti+juce reysuma da:sxozo cu?"

「あなたが別の男の友達を殺したのと関係しているんですか?」


uldonsma caf pakpiga.

老人の顔が強張った。


"cosoto foy temin metsfigzo.cuchav sup tel temsuzo kap.ers to+tos"

「お前は真実を語ったようだ。俺もお前に本当のことを話すべきだな。それが公平ってもんだ」


yu:jenartis cosos da.

傭兵は語りだした。


"vo evig da:sxori.ers tur da:sxori.gow urjev yu:jesle...ers vim reysuma da:sxo"

「俺たちは友達だった。三人友達だ。だが俺はユージェスに嫉妬していた……俺の男の友達だ」


elna sekiga del uldonsma yurfazo.

エルナは老人の言葉を訊き続けた。


"yu:jes lakes solu:sazo.ta solu:sa yegselega resama ba:bozo.era foy to,era ned foy.dew nivfib ye ba:boma fub vunle"

「ユージェスはソルーサを愛していた。そしてソルーサは女の赤ん坊を産んだ。それがお前かもしれないし、そうでないかもしれない。二つの黒子が赤ん坊の左胸にあった」


elna holtsum kozfiga.

エルナは確信した。


jod ba:bo ers va.

その赤ん坊は私だ。


"gow..."

「だが……」


'no:vce vols" yujugu du+ce ca:ritse.

黒い狼が小さな声で言った。


"losxuto li cu? reysi sinvis li welle"

「気づいているか? 男たちが森に隠れている」


elna korvum losxuga ned.

エルナは全く気づかなかった。


"ku+sum aju:r del.reysi losxus foy"

「普通に歩き続けろ。連中が気づくかもしれない」


"vekeva"

「わかりました」


yem wel era yerce.

まだ森は遠い。


gow reysi tenas fa foy jasarszo.

だが男たちは弓矢を使うかもしれないのだ。


"jasars ers jabce.unhxatsum asmos ci voz"

「弓矢は危険だ。一方的に俺たちを攻撃できる」


"nadum woniv..."

「一体、どうすれば……」


'novce vols' gurgansum hures.

『黒い狼』が獰猛に笑った。


elna fikuga rxo:bizo.

エルナは恐怖を覚えた。


jen,ligs ers temin vols cedc.

いま、彼はまるで本物の狼のようだ。


"ers fanpon"

「面白い」


uldons elos li foy o:layalm gockoce su:jezo.

老人は圧倒的に不利な状況を楽しんでいるらしい。


"jasras ers rxo:bin.gow yem ja:m ers yerce.ta socum sols dudas.ers mi:fe had tarsefma kilnole"

「弓矢は危険だ。だがまだ敵とは距離がある。そしてもうすぐ陽は落ちる。あの酒場の戦いと同じだ」


elna bulvega tavzo.

エルナは体を震わせた。


"gow,sivin pe+sxe ya: ned"

「でも、隠れる場所がありません」


yu:jenartis egas da tsa:man yo+sxuzo i+sxucho.

傭兵は荷物を積んだ馬と動き始めた。


socum vekega uldonsuma na:fazo.

すぐに老人の考えを理解した。


a:mofe vu+cari ya: colle.

ここにはたくさん丘がある。


sinvis yol foy satma pazsoma fo:bemle.

大地の隆起の裏側に隠れるつもりだろう。


now elna yatomiga a:tumazo.

だが、エルナは予想を間違えた。


'no:vce vols" vokas da vu+carima ke:lazo.

「黒い狼」は丘の斜面を登り始めたのだ。


"vomova mato:r!"

「やめてください!」


elna garoga.

エルナは叫んだ。


"ers se+gxon ko:rad"

「これが正しいやり方なんだ」


elna vekeva ci ned uldonsuma hu+dozo.

エルナは老人の判断が理解できなかった。


now abowa ci ned ahxes.

だが、狂ったわけではないとは思う。


sewruyuridresa zoltum vokega vu+cazo.

女風魔術師は慎重に丘を登った。


payu 'no:vce vols" ye utovfosle.

すでに「黒い狼」は頂きにいる。


"ja:mma jas tsadas ci ned colle.ta socum na: jarle.jenjarma laykama sos ers we+ce.ja:m so:lta fa foy vol.ta elna,tenato ci sewr yuriduszo.tom yuridyurfama tiga era mig non cu?"

「敵の矢はここに届かない。そしてすぐに夜になる。今夜のライカ(訳注 銀の月。三つの月でもっとも光量が大きい)の光は弱い。敵は俺たちに近づいてくるだろう。そしてエルナ、お前は風魔術を使える。お前の呪文の力は強いんだろう?」


"wam nafato cu?"

「なぜそう思うんですか?」


"sekigiv sud solu:sale.a:van go+zun tigazo yuridresama tansa a:van go+zun tigazo.ta solu:sama yuridusma tiga erig zavance.tom sxumetisa urjega foy tom tigale kap"

elna aboga cod uldons teminum giminis ci foy reysuma koksazo.

「ソルーサに聞いたことがある。強い力を持つ女魔術師の娘は強い力を持つ。そしてソルーサの魔術の力は凄まじかった。お前の師匠はお前の力にも嫉妬していたのかもしれない」


"...ers foy"

「……かもしれません」


"payu zemgeto reysuzo.lagt wonta fa foy"

「もうお前は人を殺した。また出来るだろうな」

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