第2話 tarsefma kilno 酒場の戦い

yem yuridresa atmega ci ned kilnole.

まだ女魔術師は戦いに慣れていなかった。


pi:fesum,e:lga ned kilnoma jaytuzo.

正確には、戦いの経験がなかったのだ。


ers tic zad ju:m.

これは悪夢に違いない。


gow u:tus ers tsas magsxed.

しかし現実はいつも残酷だ。


"hahaha! ers fanpon!"

「ははは! こいつは面白え!」


un reys hu:ralm so:lta rxafsale.

一人の男が笑って少女に近づいていく。


"savu:r"

「待て」


had uldons yujugu.

あの老人が言った。


"era vim o+dol"

「彼女は俺の客だ」


"o+dol?"

「客?」


a:van kanartiszo reys bi:lalm yujugu.

短剣を持った男が苛立ったように言った。


"ayoyi:r ned! uldons!"

「からわわないでくれ、爺さんよ!」


"ayoyiv ned aln reysuzo.erv ga:jamoc"

「誰もからかってなどいない。俺は生真面目なんだ」


"magudi uldons!"

「糞じじいがっ!」


reys lo:mnas kanartiszo uldonsle.

男が短剣を老人に向ける。


"yoy.ers davka cu?"

「おい。これは冗談か?」


rxafsa mevga wamfig uldons necas.

少女はなぜか老人が微笑んでいるのを見た。


"davka? aboto ers davka cu?! uldons! ers ned kilbo! ers kilno!"

「冗談? お前はこれが冗談だと思うのか? じじいっ! これは喧嘩でもねえ! こいつは戦いだっ!」


"dusovav kilnozo.gow,etiv tel temin 'kilno'zo"

「俺は戦いが嫌いだ。だが、お前に本物の『戦い』を教えてやろう」


uldons ja:tus vu:kma pokzo reysuma cafle.

老人が麦酒のマグを男の顔に投げつけた。


ze+pan vu:kzo cafle reys narum e+dilm cosis.

顔に麦酒を浴びた男が大きな音をたてて倒れる。


dact elw chof pi+kosum sxomsega reys dognas teg.

男がぶつかったので卓や椅子が派手にひっくり返った。


"gaaw! yazdav ned tuz! nal era vam kanartis cu?"

「がああっ! てめえ、許さねえぞっ! 俺の短剣はどこだ?」


"col era"

「ここだ」


uldons bosugu reysuma kanartiszo cuyle re:gmace e+gatse.

老人は冷静な動きで男の短剣を首に刺した。


a:mofe asuy bosxowa da.

大量の血が噴き出していく。


rxafsa vekeva ci ned wob hasos li.

少女はなにが起きているか理解できなかった。


"gxa:! fato:r! ta damtu:r jod eln rxumzo!"

「ガキ! 伏せろ! そしてその白いローブを脱げ!」


vekega ci ned uldonsma yurfa kap.

老人の言葉もわけがわからない。


now wogfig vekava "cod uldonsma yurfa era se+gxon".

だが『この老人の言葉は正しい』となぜか理解する。


sa+tsolm asuyzo socum damtuwa eln rxumzo.

血をよけるようにしてすぐに白いローブを脱ぐ。


"uldons! wam zemges tom ra:cuszo!"

「じじい! なんでてめえの仲間を殺した!」


"ra:cus?"

「仲間?」


"vo erv tarsuy ra:cus!"

「俺たちゃ飲み仲間だろう!」


"batsos"

「違うね」


uldons yujugu sobtuce ca:ritse.

老人は冷ややかな声で言った。


"vim ra:cus uldum zemgo,aln reysi"

「俺の仲間は死んだ、みんなとっくの昔にな」


ta uldons gamogo zemtavzo.

そして老人は死体を睨んだ。


"cod narha yujugu,ers kilno.dog etigiv narhale temin kilnozo.veketo ci cu? payu kilbo cemsos kilnole"

「この馬鹿は言った、こいつは戦いだとな。だから俺は馬鹿者に本物の戦いを教えたんだ。わかったか? もう争いは戦闘に変わっているんだよ」


u+tam uldons dogis dactuzo.lagt dact sxama li.

次に老人は卓を蹴った。再び卓がひっくり返っていく。


ta rxubasma asro duftas.

そしてロウソクの火が消える。


tarsef cemsoga no:vale.

酒場が闇に包まれた。


"magdi! uldons!"

「糞っ! じじい!」


"mato:r! erv ned had uldons!"

「やめろ! 俺はあのじじいじゃねえ!」


"e+tefe! napreys zuvas li vim yudzo!"

「痛え! 誰か俺の腕を斬りやがった!」


aln reysi dengxus foy.

誰もが混乱しているようだ。


"tanli un.no:va era fe+kes ja:m ers o:layalm a:mofe su:jetse"

「訓練、その一。闇は敵が圧倒的に多い状況では味方だ」


rxafsa sekiga uldonsma bitszo.

少女は老人のつぶやきを聞いた。


gow wob ers tanli cu?

だが訓練とはなんだろう?


"tanli dew.eln ma+du mig pa:ldida no:vanxe"

「訓練、その二。白い服は闇ではひどく目立つ」


uldons ja:tus foy rxfsama eln rxumzo.

老人が少女の白いローブを投げたらしい。


reysi asmos eln wofgifzo no:vanxe.

男たちが白いなにかを闇のなかで攻撃する。


jen,rxafsa maduga semc kul.

今、少女は肌着だけをまとっていた。


"gxaaaaaaaa!"

「ぎゃああああああああ!」


"ne+do!"

「やめろ!」


sekiya reysima ga:rozo a:mofe pe+sxepo.

男たちの悲鳴がいろんなところから聞こえてくる。

 

rxafsa vekega had uldons zemgas li reysizo.

あの老人が男たちを殺しているのだと少女は理解した。


mig sinalm,sobtucum,ta jilzolm ku+sum zemges del li,

ひどく静かに、冷静に、そして作業をするように普通に殺し続けている。


algamum tav bulva da.

自然と体が震えだした。


ers ned sobce teg.

寒いからではない。


yikde tarsef si:nega.

やがて酒場は静まり返った。


"u...uldons...vomov zemga:r ned..."

「じ……じいさん、殺さないでくれ……」


ers foy tarsefma sxumetisma ca:ri.

酒場の主人の声のようだ。


"menxav.wengo namgetzo tel.now heki:r ned.zayito sav reysima asmotzo.tito fa ci malzo"

「すまんな。あんたには迷惑をかけた。だが安心しろ。奴らの武器を売ればいい。金になるぞ」


rxafsa losxuga hudowa sup ned cod uldonszo amestse.

少女はこの老人を見かけで判断すべきではなかったと気づいた。


ers i+dewofe yu:jenartis.

彼は伝説の傭兵なのだ。


"aw...no,no:vce vols.nagogav tuz"

「あ、あの……く、黒い狼。私はあなたを探していました」


rxafsa vekeva ci ned e+zema ca:rima bu:lvale.

少女は自分の声の震えに気づかなかった。


"how.gxa:.susve jalnoto vim tigazo"

「ほう。ガキ。ようやく俺の力を認めたか」


"ya,ya:ya.go,gow vomov lombu:r ned vaz 'gxa:' tus"

「は、はい。で、でも、私を『ガキ』と呼ばないでください」


"rizcogo.nadum lombuv sup tuz cu?"

「了解した。お前をどう呼べばいい?」


"vam marna era elna"

「私の名前はエルナです」


"rizcogo"

「了解した」


elna abowa wamfig uldons necas.

老人はなぜか微笑しているとエルナは思った。


"payu lombuto fa tuz gxa: tus.now u+tam cholite pxa:zo teg.yem losxuto li ned jodle"

「もうお前をガキとは呼ばんよ。だが、さっきお前は小便を漏らしていたんでな。まだ気づいていないのか?」

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