剣の墓標 artisma zemegmid

梅津裕一

第1話 tarsefnxe 酒場にて

aboga reysuzo ers uldons.

少女は男を老人だと思った。


u:tusum,cod reys lombus re sup uldons tus.

実際、この男は老人と呼ばれるべきだろう。


casma: nub ega: eln.

髪はほとんど白かった。


giglece je caf basliya a:mofe wizle.

頑固そうな顔はたくさんの皺で覆われている。


cafma: kap era eln.

ひげも白い。


ta ers mig sa+gxan ames.

そしてひどく汚らしい外見だった。


"yoy...to eto "no:vce vols" cu?"

「あの……あなたが『黒い狼』ですか?」


rxafsa abowa yatmiva tic reysuzo.

人違いのはずだと少女は思う。


gow uldons tayes rxafsale.

だが老人は少女に答えた。


"lensorolicum lombus re jod marnazo,uld,lombugiv re 'no:vce vols' tus"

「その名前を呼ばれるのは久々だ。昔、『黒い狼』と呼ばれていた」


yatmigav ned reysuzo,rxafsa duvomega.

人違いではなかった、と少女は失望した。


hi+sa kozfiya ci ned dog.

これだから噂は信用できないのだ。


uldamuce tarsef ega: mig dusinfe.

おんぼろの酒場はひどくやかましかった。


sekiya a:mofe ta:rxarima ca:rizo.

酔漢たちの声がたくさん聞こえる。


aln reysi madugu du:men ma+duzo.

みなみすぼらしい衣服をまとっていた。


di:ce tarsuyma cu:nu nxeziya o:wi mets ta reysima batsran cu:nule kimpace se:finxe.

狭い建物で安っぽい酒の匂いが吐瀉物と男たちの汗の臭気に混じっている。


rxafsa abowa col era za:ce pe+sxe.

ここはひどいところだ、と少女は思う。


socum nagova sup go+zun yu:jenartiszo ti+juce pe+sxenxe.

すぐに別の場所で強い傭兵を探すべきだろう。


"ers lo:noma ongo cu?"

「仕事の依頼か?」


"no:vce vols" yujugu.

『黒い狼』が言った。


"ne...ne+do.va..."

「い、いえ。私は……」


"nagote tic viz.gow duvomote mavte temin "no:vce volsu"zo teg."ne+do,payu ers ku+sin uldons.nafato mesum nagova sup ti+juce yu:jenartiszo." vim na:fa era yatmi cu?"

「あんたは俺を探していたはずだ。だが本物の『黒い狼』を見て失望した。『駄目だ、もう普通のおじいさんだ。新しく別の別の傭兵を探さなくちゃ』とあんたは思った。俺の考えは間違っているか?」


"a,awww"

「あ、あの、その」


rxafsa tirega.

少女は驚いた。


cod uldons giminis ci foy e+zema koksazo.

この老人は自分の心をのぞき見できるのだろうか。


"erv ned yuridres to cedc.ya:ya,eto yuridresa.now rxa:fe rxafsa minjabiya sup.cod tarsefma o+doli ers aln jabce reysi"

「俺はあんたみたいな魔術師じゃない。いや、あんたは女魔術師か。だが若い娘は用心すべきだな。この酒場の客どもはみんなやばい連中だぞ」


uldons neces.

老人が微笑した。


"uldonsuma yurfa era se+gxon! wob tom a:jsuma patca era cu?"

「じいさんの言葉は正しい! お前の歳はいくつだ?」


rxafsa dasvoga.

少女は混乱した。


azi ers ku+sin reysi.

彼らは普通の男たちだ。


wam rxobito vaz cu?

なぜ私を恐れない?


vekes ci dig vam temsuzo mavs vam eln rxum ta vunma sekvanspazo nxal.

白いローブと胸の五芒星を見れば私の正体はわかるはずだ。


"era tic jarnica"

「こいつは処女に違いねえな」


un reys hures.

一人の男が笑った。


"gow pa+po era nan! ta caf era mo:yefe! eloto sav vocho!"

「でもおっぱいがでけえ! そして顔も可愛い。俺たちと楽しもうぜ!」


reysima mini cemsos.

男たちの目が変わる。


ligs ers gurfuma mini cedc.

まるでけだものの目のようだ。


reysi ves ilmofe asmotzo.

男たちはさまざまな武器を持っていた。


fu:mo:r,yujuga e+zema koksale.

落ち着けと、自分の心に言い聞かせる。


va erav sewruyuridresa.bac vatsiya yuridyurfazo nxal...

私は女風魔術師だ。もし呪文を唱えれば……。


uldons yujugu.

老人が言った。


"aa...gxa:.yujugiv tel uldce marnazo.gow yujute ned vel tom marnazo.yuridresa era zadluhomic cu?"

「なあ、ガキ。俺はお前に昔の名前を言った。だが、お前は俺に自分の名前を言ってない。女魔術師は礼儀知らずなのか?」


rapdasum rxafsa fikuwa me+gazo cod uldonsule.

ふいに少女はこの老人に怒りを覚えた。


"erav ned gxa:! erav decris a:jsma resa teg!"

「私はガキじゃありません。私は十六歳の女ですから!」


"mato:r!"

「やめろ!」


napreys huras.

 誰かが笑った。


"eto decris a:js cu? eto va:lin udnema resa! elo:r za voz tom tavtse!"

「お前、十六か? 立派な大人の女だな。お前の体で俺たちを楽しませろ!」


abowa ers u:tav zad.

最悪だ、と思う。


su:je era mig jabs.

状況はひどく危険だ。


zagnxanuwa re fa foy cod reysile.

この男たちに犯されるかもしれない。


ulf zemgega re gurf cedc reysile.

あるいはけだものみたいな男たちに殺されるかも。


fikuga mi+gxan rxo:bizo.

少女は激しい恐怖を感じた。


gow za:ctowa re ci ned cod sa+gxan reysile.

だがこの汚らしい男どもに侮られてはならない。


"erav sewruyuridresa.vekato ci vam yurfama ye:nizo cu?"

「私は女風魔術師です。私の言葉の意味がわかりますか?」


rxubasma asro cu:lkalm eges nalpesnxe.

ロウソクの炎がどこかで揺れ動いた。


minpac,ingofikuwa e+galm reysima mo:gduzo.

一瞬、男どもの影が動いたように錯覚する。


"vekav eto sewruyuridresa.ta ers cu?"

「あんたが女風魔術師なのは理解したよ。で、それで?」


rxafsa pacpiya za tavzo.

少女は体をこわばらせた。


ers ned narha.

彼らは馬鹿ではない。


ta losxuva erav mig narha.

そして自分は本当に馬鹿なのだと気づいた。


"losxuto cu?"

「気づいているか?」


reys megum necas.

男が冷酷に微笑んだ。


"aln reysi sxuls li yuridreszo...ned,yuridresa era mig rxo:bin.tenato ci eren yuriduszo.now,yelna so:rolzo yuridsresa vatsis yuridyurfazo"

「みんな知っているよ、魔術師は……いや、女魔術師はひどく恐ろしいって。あんたは凄まじい呪文を使える。だがな、女魔術師には呪文を詠唱するのに時間が必要だ」

 

reys vinlipum huras.

男がいやらしく笑う。


"lencoto fog mig sigzuma reysma kasartis ta tom yuridyurfama pa:jazo cu?"

「すぐ近くの男の短剣とあんたの呪文の早さ、比べてみたいか?」


rxafsama tav bulvega li.

少女の体が震えた。


vekega jen e+ze era pxunus cedc cagos re ju:yin gurfule.

今の自分が飢えたけだものたちに囲まれた大うさぎのようなものだと理解したのだ。



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