『十八史略』で読む魏晋南北朝

第21回 慕容部いよいよ盛んなり

　漢文大系本、第3巻、87～88ページ。

　西暦285年～300年前後。

　◯鮮卑慕容廆、自武帝時已為寇。既而降。以為鮮卑都督。廆生皝、自遼東徙居徒河。又徙大棘城。及帝世慕容部愈盛。

　◯鮮卑の慕（ぼ）容（よう）廆（くわい）、武帝の時より已に寇（かう）を為す。既にして降る。以て鮮卑都督と為す。廆（くわい）は皝（くわう）を生む。遼東より徙（うつ）りて徒河に居り、又た大（だい）棘（きよく）城に徙（うつ）る。帝の世に及び、慕容部愈〻（いよいよ）盛んなり。

　◯鮮卑の慕（ぼ）容（よう）廆（かい）は、武帝の時から攻撃をしかけてきていた（285年～）が、その後降伏し（289年）、鮮卑都督の地位につけられていた。慕（ぼ）容（よう）廆（かい）は慕（ぼ）容（よう）皝（こう）を生んだ（297年）。遼東から徒河に引き越し（290年）、さらに大（だい）棘（きよく）城に引き越した（294年）。恵帝の世になって、慕容部の勢力はますます盛んになった。