第12回 石崇、殺さる

漢文大系本、第3巻、ページ。

西暦300年。


倫殺衛尉石崇。崇有愛妾緑珠。倫嬖人孫秀求之、不与。秀誣崇奉允為乱、収之。崇曰、「奴輩利我財耳。」収者曰、「知財為禍、何不早散之。」遂被殺。


倫、衛尉石崇を殺す。崇、愛妾緑珠有り。倫のへいじん孫秀、之を求むるも、与へず。秀、崇はいんを奉じて乱を為すとひ、之を収む。崇曰はく、「奴輩、我が財を利するのみ」と。収むる者曰はく、「財の禍を為すを知るに、何ぞ早く之を散ぜざる」と。遂に殺さる。


司馬倫は、衛尉の石崇を殺した。石崇には、緑珠というあいしようがいた。司馬倫のお気に入りだった孫秀は、緑珠を欲しがったが、石崇は与えなかった。孫秀は、石崇がいんを持ち上げて反乱を起こそうとしていると偽り、かれを捕らえた。石崇は言った。「あいつらは、おれの財産が目当てなんだ。」捕らえに来た者は言った。「財産が災いを引き起こすとわかっていたなら、どうして早いうちに減らしておかなかったのです。」石崇はそのまま殺されてしまった。

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