　漢文大系本、第3巻、73ページ。

　西暦255～258年。

　◯楊州都督毌丘倹、刺史文欽、起兵討司馬師。師撃敗之。師卒。弟昭為大将軍・録尚書事。已而為大都督、仮黄鉞。楊州都督諸葛誕、起兵討昭。昭攻殺之。昭為相国。封晋公、加九錫。不受。

　◯楊州都督毌（くわん）丘（きう）倹（けん）、刺史文（ぶん）欽（きん）、兵を起こして司馬師を討つ。師、撃ちて之を敗る。師、卒（しゆつ）す。弟昭、大将軍・録尚書事と為る。已（すで）にして大都督と為（な）り、黄（くわう）鉞（ゑつ）を仮（か）る。楊州都督諸葛誕、兵を起こして昭を討つ。昭、攻めて之を殺す。昭、相（しやう）国（こく）と為（な）る。晋公に封（ほう）ぜられ、九錫（せき）を加へらるるも、受けず。

　◯楊州都督の毌（かん）丘（きゆう）倹（けん）と、刺史の文（ぶん）欽（きん）は、挙兵して司馬師を討伐しようとした。司馬師はこれを撃退した。司馬師が死んだ。弟の司馬昭が、大将軍・録尚書事となった（255年）。じきに大都督となり、黄金のまさかり（天子がみずから征伐に出るときに用いる権威の象徴）を借り受けた（256年）。楊州都督の諸葛誕は、挙兵して司馬昭を討伐しようとした。司馬昭は攻撃してかれを殺した。司馬昭は相（しよう）国（こく）となった。晋公に封（ほう）ぜられ、九錫（せき）を与えられたが、受け取らなかった（258年）。