第24回 司馬師、魏主を廃す

 漢文大系本、第3巻、72~73ページ。

 西暦254年。


 ◯魏李豊数為魏主所召。司馬師知其議己、殺之。魏主不平。左右勧誅師。魏主不敢発。師廃魏主。僭位十六年、改元者二。曰、正始、嘉平。師迎立高貴郷公。是為廃帝。名髦、文帝之孫、明帝之姪。年十四即位。


 ◯魏の李豊、数〻しばしば魏主の召す所と為る。司馬師、其の己を議するを知り、之を殺す。魏主、平らかならず。左右、師をちゆうせんことを勧む。魏主、敢へて発せず。師、魏主を廃す。位をせんすること十六年、改元する者二。曰はく、正始、嘉平。師、高貴郷公を迎へ立つ。是を廃帝と為す。名はばう、文帝の孫、明帝のをひなり。年十四にして位に即く。


 ◯魏の李豊は、しばしば魏主(そうほう)に召しだされた。司馬師は、かれらが自分の悪事を論じているのだとわかって、李豊を殺した。魏主はおちつかなかった。左右の側近は、司馬師を処刑することをすすめた。魏主は命令をだそうとしなかった。司馬師は魏主をやめさせた。十六年のあいだ帝位を僭称し、元号を二度改めた。それぞれ正始、嘉平という。司馬師は、高貴郷公をむかえて継がせた。これを廃帝という。名はぼうといい、文帝(そう)の孫で、明帝(そうえい)のおいであった(明帝の異母弟そうりんの子)。十四歳で即位した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る