読んでくださいと言われましても
この界隈に居るとみなさんも一度は遭遇したことがあるかもしれない。DM或いはアカウント指定での呟きによる「読んでください」というメッセージ。
誤解のないように先に言っておくと、このメッセージ自体はまったく問題ないし、読んでほしいと言う願望自体はなにも間違ってない。寧ろ更新を楽しみにしている場合は教えてくださった方がありがたい。
ではなにが問題なのか。
今回はこの「なにが問題なのか」を書き記していく。
めちゃめちゃ仲のいいリアルの友達がそう言ってきた場合は良い。そいつが書いた小説なら、そりゃもうぜひ読んでみたい。それは作品を読みたいと言うより、「こいつなに書いてんだろう」というストレートな疑問だったりする。そのミステリを解き明かしたいのである。
しかし、とは言え自分も年がら年中暇と言うわけではない。寧ろ読む時間より書く時間に多くの時間を使っているもんだから、読む時間自体が圧倒的に少ないのだ。
だからいくらめちゃめちゃ仲のいいリアルの友達のお願いとは言え断らざるを得ないときはあるし、その最も熱い時間帯を逃してしまったら「こいつがなにを書いているのか知りたい」より「自作を書くぞぉ」が勝ってしまうかもしれない。そもそも興味本位だったわけだし。面白い確証もないし。自作も書かなきゃだし。
面白いことが確定している信頼のおけるフォロワーさんならその限りではない。暇ができたら「どうせ面白いし読みに行くか」となるわけなので、興味本位と言う動機は外れる。それよりは楽しい読書体験をしたいのだ。それでも読書体験5割と作者を応援したい気持ち5割なので純粋な気持ちではないのだけれども。
ただやはりそうは言っても自作優先なのはここでも違いなく、自作を書くモードだったら読みに行けるわけがないのだ。たとえ面白いとわかっていても。
・興味がめちゃめちゃあるリア友の作品
・面白いことが確定しているフォロワーさんの作品
この二つですら状況次第では読まない選択を取る僕。
これにより増え続ける積ん読の山、山、山……。
いいですか。そんなときに……そんなときにですよ。リア友でもないうえに作品を読んだこともない人に
「読んでください」
と言われたら
「読めるわけねえだるるるるるるぉぉおおおおおおおおおおお!!!! あああああああああ!!!! うあああ!! うああ! ひえぁっ!? なに今の!? 今なんか黒いものが横切った!? あうああああああああうわああああああああ!!!! ああああああぁぁああぁ——あっ、この前の! その節はどうもどうもあれからどうですかああああああああああ! うあああぁぁああああ! 今日の昼はそこの富士そばでええか? この間坊主には世話になったからのぅおっちゃんが奢ったるわぁぁああああああああああああああああああああああああああああ!! 助けて! 初めてのこむら返りぃぃいいいいぇぇええええうあああああああああああああああああああああああああああああああ!」
となるのは想像に難くないだろう。
なんならみんな同じように思っているまである。
誤解のないように前述したことをもう一度言うけれど、「読んでください」という言葉に罪はないし、それを言うこと自体はなにも問題ないし読んでほしいと言う気持ちは間違ってない。寧ろ正しい。
でも、無理なこともあるんよ……。
「は? 無理なら断ればいいじゃん」
と思うかもしれない。けれどね。そこでなんのストレスもなく「あ、無理でーす」と言える僕なら小説書いてないんですよ。僕はものすごく気が弱い。コミュ障の擬人化みたいな人間だ。頼まれ事に対して断り切れず自分の身を切って無理矢理やってしまったり、物理的にできなくて断るにしてもものすごく申し訳ない気持ちになってしまったりするんですよ。そんで自己嫌悪と自己否定が始まって「自分の糞みたいな人生一個差し出せば相手からの頼まれ事をやれたじゃないか。今さらどうでもいいだろ。どうせダメになる人生だ。死んでしまえ糞野郎」まで行くんですよ。
相手の性格もわからず、簡単に頼むなよ……。頼むよ……(頼み事)
あとね。こっからちょっと話が脱線して遠回りになるんだけどね。
この度僕のリア友が創作を再開して、1,000文字くらいの超短編をカクヨムに上げていたんだよ。即座に読みに行ったし感想も書いた。
なぜかっていうと、友達に続けてほしいから。
彼は今まで家庭や仕事に忙殺されて全然創作できなかったんだ。そんな中で、ない時間の中から捻り出した短い時間で、なんとか創作をしたいという気持ちで書いたのがその作品なわけだよ。
嬉しかった。
それぞれ進むスピードは違うだろうし、彼が公募に出せるようになるまでにまだまだ時間が掛かるかもしれない。けれど、同じ創作と言うステージの上でともに踊れる。それがとても、とても、とても嬉しかった。
ぼかぁ、そんな彼に「作品を読んで」なんて言えない。だって、僕の作品を読んでいる時間、彼の創作時間が減るんでしょ? 書けない理由ができてしまうんでしょう? じゃあ「読むな」だ。
本当にこの人とずっと創作を続けていきたいって思ったら、「僕の作品を読む前にちゃんと書いたの? なに? 時間がない? じゃあ読む時間を書く時間に充てろ。1文字も書けなくても、5分しかなくても、5分唸ってろ。そのストレスが、あなたを強くするだろうぜ」と言うのが正しい。と、僕はそう思うわけで。
僕は前にキャスで「書籍化したらみんなに読んでほしいですよね?」と聞かれて「読まなくていいですよ。でも買ってください。フォロワーさんはみんな創作家なので、読む時間は自分の創作に充ててください」と言ったことがある。
ギブアンドテイクじゃないけど、僕が他人の作品を読む時間を犠牲にして書いて来た以上、代償は払うべきだと思っている。読む時間を犠牲にして得た賞なら、その書籍は創作家に読んでもらう権利を持っていない。けれど、僕はフォロワーさんの作品は基本的に買っているので、等価交換的に買ってほしい。今はAmazonで買えば一瞬で終わる作業だし、それが創作の邪魔になることはないだろう。だから買ってほしい。お金がないなら買わなくていいけど。
こんなことわざわざ言うことじゃあないけど、僕はこういう世界観で生きている。めちゃめちゃ生きづらいけれど、自分なりの正義は貫いているつもりだ。
じゃあ、「おめえはまったく読まねえのか」と言われるとそれは違う。
気まぐれに読むスイッチが入って一気にいろいろ読んだりもする。でもそういうときは詰ん読を崩していることが多い。つまり、リア友や仲良しフォロワーさんのものが優先。たまに例外的な理由が発生して別のものを読むことはあるけれど。
それと勘違いしてほしくないのが、僕は「読まれたくない」と言うわけではない。当たり前だけれど、このカクヨムに投稿している以上猛烈に読んでもらいたい。うぉお読んでくれーー! と思っている。
ちなみに僕は宣伝するけど「読んでください」と頼みに行ったことがない。(RTした人の小説を読むタグは昔利用させてもらいました。その節はどうもお世話になりました)
理由は上述したとおりだ。創作友達には書いてほしいから読まなくていいと思っている。自分の創作優先で、やることやって、それで空いた時間で僕の作品を読んでくれるって言うのなら、それはめちゃめちゃ嬉しいことだ。なので、僕が望む最高の状態と言うのはそれである。
統括すると、「読んでください」と言われましても、上述した理由により読みにはせ参じれない。
ぶっちゃけると、「読んでください」と言われると
あ、あと
と言うかこれは当たり前の話なんだけど、相手の気持ちに立つというのが基本なのではないかと思う。そりゃ
受け取りたいならまず与えるべき。ただそれで受け取れなくても相手を恨まない。この基本を守って読書してれば読まれます。なので「読んで」じゃなくて「読みに行きます」が「読んでもらう」ための正しい行動。
あとこういうと僕の作品を読んだりする人もいるかもしれないんだけど、そのためにやっていることじゃあないんでそこも勘違いしないでください。もうこのエッセイをここまで読んでくれたってだけで「ありがとうございました」なので、気を遣って読んだりしなくても大丈夫です。
(……なんかいつも通りグダグダになってしまった)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます