Twitterの有効性

 僕はこの世に無駄なものなどないと思っているし、無駄な時間だったなあと思ったときのあのなんとも言えないガッカリ感すらも、味わってみないとわからないところがあるわけなんだし、まったくの無駄ではないだろう。


 Twitterはとても便利なツールだと思う。自分の近況を誰にともなく発信してちょっとストレスを発散したり、かわいい猫の動画を見てRTしてみたり、うっかりエッチなイラストをファボってしまったり(便利さと関係はない)。特に僕が気に入っているのは、フォロワーさんと気軽にお話できるところだ。

 基本的にみんなやさしい。なんか対岸ではいつも炎上してるけど、僕がフォロワーさんと喧嘩して炎上するみらいなんてまったく見えないし、だからこそ気軽に話しかけられる。


 そして話しているうちにその方から刺激を受けてネタが思い付くなんてこともあったりする。創作家にとってこのメリットはデカい。だって、自分一人ではもちろん、リア友と話していても思い付かなかったネタがいきなりポンッと湧いて出るんだから。


 でもそんな他人との会話中にいきなりポンッと湧いたネタ、本当に面白いの?

 と思うだろう。

 面白い。エビデンスはある。

 実は第15回小学館ライトノベル大賞で一次選考を通った『オーバーデッドと逆葬儀』も、フォロワーさんとの会話の中で生まれたネタを膨らませたものだ。

 そのフォロワーさんと言うのは、【とりあえず蟹(旧:秋雨千尋)】さんと言う方。今はカクヨムを離れてYouTubeを経てトピアの方に活動場所を移されている。

 その方がまだカクヨムでがっつり書いていた頃に、私のツイート——確か『#私はなんの人か言ってごらん』(だったかなあ)的なハッシュタグにリプライをくださった。


「地獄の底に居ても、長文コメント(小説への感想)で連れ出してくれる人!」


 と言う内容だった。確か。(多分)(盛ってるかも)(盛ってるな)(思い出は美化されるもの)(ぴえん)

 地獄の底から連れ出す——生き返すのか。そうか。これに名前を付けるなら逆葬儀かなあ、なんて考えていたら一気に設定が出来上がった。

 興奮冷めやらぬうちに、僕は【とりあえず蟹】さんのDMに「さっきのツイートに頂いたリプのおかげで新しいネタが思い浮かびました!」とか言ってドサドサドサーッと設定を送った。我ながらなんて不躾なのかしら。でも【とりあえず蟹】さんは一切怒ることなく、寧ろ——


「いいですねー!(*^▽^*)

すごく好きな設定です。葬儀屋・逆葬儀屋ともに信念があり、どちらも素敵です。

色んなパターンの死通人の物語が出来そうですね。ワクワク。

是非読みたいです!

どんどん使っちゃってください。嬉しいです。」


 ——と、背中を押してくれた上に、設定のどの部分が心惹かれるかなどを教えてくれた。女神か! 女神なのか!? 僕は女神にDMを送ってしまったのか!?!?


 そうして僕は出来上がった設定にキャラクターを載せていった。プロットを完成させ本文を執筆。そして10万文字を越えて完成。完成したことをDMにて報告するととても喜んでくれた。

 早速電撃に送った。落ちた。


 ……気まずっ。 


 ぶっちゃけ1次選考通ったらまたDMしようとか思っていたくらいなんだけど、落ちたなんて報告わざわざするもんじゃあないしなあ。とか思って全然報告出来なかった。【とりあえず蟹】さんはやさしい人なので、送った作品がどうなったかなんてまったく聞いて来なかった。おかげで心穏やかに過ごせたので本当にありがたい。

 そして小学館ライトノベル大賞(通称ガガガ)にスライド応募。

 一次通過。


 ——ふぉおおおおおおっ!!??


 めちゃくちゃ喜びまくってツイートしてみなさんに「おめでとう!」と言われて一人有頂天ホテルして3日くらい経って「【とりあえず蟹】さんにDM送ってねえええええ!!」と気付いて、ついさっきDM送った。

 そして、この作品が出来るまでのヒストリーを書いて良いか、【とりあえず蟹】さんの名前を出して良いかを確認させて頂いた。二つ返事で爽快な回答が返って来た。

 なので、今こうして作品が出来上がるまでのヒストリーを書かせて頂いた次第である。


 改めて言おう。

 Twitterは、とても有効性が高い。

 だって、Twitterをやってなかったら、そこで【とりあえず蟹(当時秋雨千尋)】さんと会話出来てないんだから。この作品も出来てないんだから。こんなに喜んでいる詩一はここに居ないんだから。

 創作家は——なんていうつもりはないけれど、少なくとも僕の創作スタンスとしては、一見無駄に見えるツイ廃的行動も、意味の塊なのだ。無味に意味を見出してこその創作なのだ。



 このエッセイの下書きを読んでくださった【とりあえず蟹】さんが、当該ツイートを掘り起こしてくれた。

 正しくは

「長文感想で、奈落の底で泣いているゾンビを人間に戻してくれるような人」

 それに対する私の対応が

「ゾンビは人間に戻りたかったのだろうか」

 でした。

 ……だいたいあってる?



 今回『オーバーデッドと逆葬儀』の設定を創るうえで大きなヒントを与えてくださり、また名前の使用を快諾してくださった【とりあえず蟹】さんを下記に紹介。


とりあえず蟹(秋雨千尋)さんのTwitter

@akisamechihiro


秋雨千尋さんのカクヨムページ(ただいま休止中)

https://kakuyomu.jp/users/akisamechihiro


秋雨千尋さんのYouTubeページ

https://www.youtube.com/channel/UCwb14qk9WZ9Qa-3cnB0BpfA/featured


とりあえず蟹さんはトピアでバーチャルライブ配信中

https://user.topia.tv/cqUk

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