ジグソーパズルの嵌め方
※【今回も創作方法の話になっちゃいました。初心者向けです。中級・上級者の方はブラバお願いします】
とにかく完成に近づけたいと思ったら、外堀から少しずつ埋めて行くのが王道スタイルだし、真ん中からやったらわけわかんなくなってしまうよね。
なにを言っているんだって、エピタイ通り、ジグソーパズルの話なんだけど、これって創作に活きないかなあと思った次第で。
基本的に作っていく段階では、外堀から埋めて行く王道スタイルでやった方がやりやすいし、あとから間違っていることに気付くなんてことも無いから、絶対にそうした方が良いんだけど、この過程ってのはあくまでも作成するときだけにとどめた方が良いんだよね。
例えば、キャラクターAが主人公で、ヒロインBと共に、敵Cを倒すって物語が有ったとする。
作成の段階では、A、B、Cはどんなキャラクターなのかを作成。そして世界観も同時進行で作成。AはなぜBと仲間になるのか、なぜCを敵視するのかなどの動機を紐づける。このあたりで過去のトラウマなんかも作る。キャラの特性、過去、世界観と言うのがジグソーパズルでいう外側のライン。
で、そのあとは、そのラインに合いそうなピースを探していく。エピソード探し。例えばAはこんな性格だからこういう事件が起きるだろう。CはAを貶めるためにこんなことをやるだろう。などなど。
中心に行くにつれて、ストーリーの概要が大体わかってきて、最後に真ん中のピースを嵌めると完成。Aは成長してCを倒し、Bとくっつくみたいな。それが絵の完成形。
でもこれは、あくまで作り方。見せ方は絶対に変えた方が良い。
ジグソーパズルだってそう。自分で淡々と作るだけならそれでいいけれど、誰かに作る行程を見せるとしたら、ちょっと捻ったやり方をした方が良い。
で、ジグソーパズルをYouTubeで流したどうなる? って考えた。
僕ならまず、真ん中の方でがちゃがちゃと作り始める。
「これ、人の目っぽいからこの辺じゃない?」とか独り言言いながら。背景なんてあとあと。とにかく、人間でも猫でも犬でもいいから、単体でそれとわかりそうなものをピースだけつなげてかたどってみる。
んで、そこから徐々にピースをつなげていく。
途中で、別の島を作ったりして。「お、こことここ合うじゃん。じゃあ先にこっち作って、あとからドッキングさせよう」とか言ったりして。
たまに「みんなこれ見てて面白い? ジグソーパズル好きにはたまらないだろうけど、かなりマニアな人じゃないそれ?」とか言って面白小話や一発ギャグなんかを言ってみたりして、その間にもピースを繋ぎ合わせて。ただこの間はちょっと繋ぐスピードは遅くなるんだけど。
そんで、最初に作った島と途中で作った島をドッキング。
「かんせーい……あれ?」
なんとなんと、フレームと合わないぞ。
本気で焦り始める僕。
そして、ピースの整合性を確認して「あっ」と思いつく。
くるっと一回転。上下逆なのでした。
ようやく完成!
という感じで作ると思う。いや実際YouTubeはやらないけれども。
今のを小説に当てはめると『真ん中の方でがちゃがちゃ』は、クライマックスから書き始める。或いは【ファーストターニングポイント】、【ミッドポイント】、【転】などから書き始めて見る。
続けて、『単体でそれとわかりそうなものをピースだけつなげてかたどってみる。』は、背景やそこまでのいきさつはとりあえず置いといて、それ単独で「面白い」と思えるエピソードをまずはぶち込む。
そして『そこから徐々にピースをつなげていく。』は、物語を切り離すことなく、しかし周りの背景・世界観などを浮き彫りにしていく。
『途中で、別の島を作ったりして』は、冒頭とは違う側面、つまり主人公の日常だったり、別のキャラの動きだったりを見せる。【セットアップ】、【起】に該当。
『あとからドッキングさせよう』は、つまり伏線を張っておくってこと。
『「みんなこれ見てて面白い? ジグソーパズル好きにはたまらないだろうけど、かなりマニアな人じゃないそれ?」とか言って面白小話や一発ギャグなんかを言ってみたり』は、ストーリーとは別にエンタメを見せるということ。エロでもバトルでもなんでもいい。【お楽しみ】、【承】に該当。
ただその間、少しでもいいからストーリーは進めておく。じゃないと、「何見てたんだっけ?」ってなるので。
『そんで、最初に作った島と途中で作った島をドッキング。』は、伏線の回収。いよいよ物語は佳境へと突入する。これは作品によって【ミッドポイント】だったり【セカンドターニングポイント】だったり、【承】だったり【転】だったりするかなあ。
『なんとなんと、フレームと合わないぞ。』は、さらなる強大な問題が発生。今まで信じていたものがガラガラと音を立てて壊れる。今まで通用していた手段が通用しなくなる。バトルものなら、自分の攻撃を一切無効にするような技を相手が引っ提げて登場とか? 加えて『本気で焦り始める僕』は、これが似非ではなく、ガチで主人公が絶望的状況に陥っているということの証明。これは【ミッドポイント】からの、【すべてを失って】の流れに似てるね。【転】でもある。
『ピースの整合性を確認して「あっ」と思いつく。くるっと一回転。上下逆なのでした。』は、【心の闇】、【セカンドターニングポイント】であり、【結】の始まり。つまり、主人公は気付きからさらなる成長を促され、一気に問題が片付いていく、希望に満ち溢れ始める瞬間。これがいわゆるカタルシスってものかなあと思う。
ここから完成までは【フィナーレ】。
そして、『ようやく完成!』は、【ファイナルイメージ】。最初のなにも無い状態が【オープニングイメージ】だとすると、全然違うものになっているのが良いわけだけど、ジグソーパズルが完成しているわけだから、そりゃあ全然違うものになっているよね。
と、まあなんかこう、めちゃざっくりだけど創作方法について語ってみたよ。
総括すると、効率の良い作り方はイコール楽しい見せ方ではない、ということ。
だから、作り方と見せ方は別々で考えるべきで、見せるときはちょっと難解なやり方をした方が、見ている方も楽しく見れるよってこと。
うあ。またなんかちょっと偉そうな感じになっちゃった。まあいいか。初めて書くって人には、少しは参考になるかなと思うし。
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