負の感情が自分自身

韮崎旭

負の感情が自分自身

 負の、でこれらの情動を片付けるのがまずいただけないとして、それは生に向かうことを正とすることを所与のものとしていることに疑問を指しはさまずにはいられないからだ。死すべきものが生き物であるならば死に向かうのは当然のことではないのか。まして自分は税金の無駄遣いにしか将来的にならないので生存するべきではない。税金の無駄遣いはたとえでしかないし、税金の無駄遣いにしかならないような人間だろうが、生きたいと願うなら生きる権利がある。死ぬ権利はないらしいが。いい加減飽きたというのが今回の自殺志願の理由だろうか。飽きるだろう。20何年も同じことをしていたら通常、飽きます。あなたは30回とか同じ本を読みますか、すべての所有する本において、内容の暗記の必要もないのに? 私は飽きるからしません。飽き性なのかもしれません。すぐに飽きるので。特別裕福な家庭の人間でもないし、手続きは鬼門。常に生活上の苦情を寄せられながら過保護に養育されるものの、それはつまり、養育が楽しみであり、他者へのポーズであるゆえの保護ではないのか。当人に尋ねれば、実態如何にかかわらず否との答えが来るだろう。それは、世間体、見栄え、いずれを考えても、「自身が素晴らしい人間性を持った天使のような親」でありたいなら当たり前のことで「愛情」と「本能」で人間を出産し、また養育することがよしとされるような状況下に私は置かれて当惑しているはずだと思っている。そういう人間は通例、自動車教習所の筆記試験を1発パスする人間よりも、東京大学の第一段階選抜(センター試験の得点率により入学試験を受験できる人間を選ぶことかと思う)をパスする人間よりも、えらいといわれる。というか、ペーパーテストができようと、「あの人は頭だけね」とののしれば済むので、人間は便利に都合よくできている。私も便利で都合のよい人間なので、注意しなければ脈絡のない発言をしてしまう。しかし、である。

 この見込みのなさはもう自殺してもよいと思ったのだ。結果的にアップルパイがおいしかったというだけでその日の自殺は、部屋が暖かいという理由だけでその日の自殺は、見送られたのだが、これは言い換えれば、おいしいアップルパイが長期間食べられなかったり、部屋が寒い状態が長期間続けば自殺を真剣に検討しだすような人間で私があることを示してもいるといえると思う。おそらく、何が見込みがないかを、記すべきであり、それは現代日本において一般に要求されがちな就労であり、経済的自立であり、社会生活であり、法的手続きであったりする。私はこれらを行う見込みがない。行う能力が欠如している見込みがある。また、仮に有していたとしても、非常に低いとみられる。

 

 ということも差し置いて、某機関とでもしておくが、そこで私は診療を受けている。大した名称ではないのは失礼にあたるかは不明だが、特に大病院というわけでもなく、気軽な機関であり、その医療機関、であろうから、医療機関と呼ぶが、医療機関でカウンセラーの方と自身の持つ障害に関する行政上の手続きの有無に関して相談した(これは精神障害の部類である、おそらくこの文を読んだ方なら、こういった人間は往々にして精神障害であり得そうだと推論していたようにも思うが。)際に、障碍者手帳が問題に、単語として上った際に何かが落ちた。決壊した。障碍者手帳が支給されるほど私は障害なのですか。これは発達の偏りなので、精神障害であろうと書いたわけではあるが、私はすでに現状生活に苦心しているし、大学を卒業できるような気もせず、極端な表現を言えば人間にうんざりしている。人間とかかわりたくないと、人間の分際で考えている。人間とかかわるのは、ぶん殴って黙らせたりしてはならないので非常につかれる。たぶん、もうこのあたりでこの文章にはいっ際のまとまりがないと思われる。

 要は、生活能力の著しい低さの認識、能力の、現況にそぐわない偏り、「障碍者手帳」が現実味を帯びたことで自身がまるで重病人のように感じられたこと(とはいえ、この聴覚過敏とその他の神経質と、また神経質さの偏りを見れば、健常者として就労を試みるのは賢くないと思うのも致し方ない)、などが自殺の検討のトリガーだとも思われる。

 私はもう憂鬱さを美しく飾れないほどには今は疲れているので、文章を書くこともままならず、また人間と会話が通じるとも思われず、たぶん実際に通じておらず、早い話、いやになった。自分自身に尽かした愛想の件も含めて、私に私は不必要との結論が強く、また、四六時中食事の心配をしないといけない生活にひどく心身の体力を削られていたため、このまま生活し続けることは到底耐えられないと感じた。ささいな批判や鬱展開で、瓦解しそうだった。まあアップルパイが一時的回復をもたらしたんですが。だからといってアップルパイはアップルパイ以上ではない。命の恩人だとかほめそやす意思はない。命があることが良いとは限らないと考えるがために。

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