幼馴染な2人2話

「で?なんの用だよ」


口喧嘩を辞めて少しだけクールダウンした俺は何故教室に来ているのか聞いてみる

紗奈は俺とはクラスが違うから会おうと思わない限りは会えないはずだ


「名瀬の担任の先生からその紙を渡すように言われたのよ、全くなんで私なのかしら」

「雑用に使ってほしそうな顔をしてたからじゃね?」

「ぶん殴るわよ」


紗奈の目的は俺の顔に貼り付けたこの紙にあるらしい、そういやこの紙なんだ?


「進路希望調査よ」

「あぁそれか」


そういやあったなぁ

なんも考えてなくて適当に書いて提出したっけ


「あんたがふざけると何故か私に責任だの尻拭いだのが来るのよね」

「そりゃ当然だそうなるように仕向けてるからな」

「いいでしょう私への嫌がらせだというなら宣戦布告ととるわ」

「当然、紗奈如きに負けるほど俺は弱くない、そしてお前は俺より弱い」

「へぇ?言うわね?明日が楽しみ」

「くっくっく、俺の部屋で待つ」

「思いっきり名瀬のホームじゃない」

「いつも来てるから変わらないだろ」

「まぁね」

「二人共本当に仲良いね、勝負でもするのか?」


おっとつい話し込んでしまった

俺の友人はとても優しいやつだから俺達が話してる時には割り込んでこない、だからかたまにその場にいるだけかと思ってしまう、それでもいいんだけどな


「まぁ昔からよく勝負はしてたよな」

「昨日は、何だったかしら」

「ツイスターだよ、妹に指示してもらって」

「あれね、結果は私が勝って夕食を名瀬に作らせたのよね」

「あぁ、そうだな?俺が夕食を作ったのになぁ?」

「なに?その高圧的な態度は」

「忘れてねぇよな?」

「ふん、」

「??二人ともどうした?なんかいつもより刺々しい感じがする」


感がいいな

確かに言葉に棘を仕込んだりはした

しかしな、これは俺のせいではなく紗奈が悪いんだ


「あぁそうそう、あんたどうせあれでしょ?お金が無いことに今日気付いてお弁当も作ってないんでしょう?」

「ぐ、何故それを」

「そりゃああんたの考えることくらい私にわからないはずがないもの、というか買い物する時大体一緒なんだから分かるわよ」


なるほど、買い物する時に財布の中を見たのか、、


「人の財布の中を勝手に見るなよ!」

「別にそれくらいいいでしょ?そのうち私が管理するかもだし」

「は?なんで紗奈が俺の財布の管理をするんだよ」

「い、いや、今のは冗談、そう!冗談よ!」


なーぜか急に慌てだしたな

何か俺の財布に隠し事とかしてるのか?

俺の財布に紗奈の秘密があるとか怖いんだが


「なぁほんとに気づかないのか?あれだけわかりやすいのに」

「何にだよ」

「なるほど、どうしてくっつかないのかわかった気がするよ」


何がくっつくんだ?こいつまでよくわからんこと言い出して、俺の知らないことで何かあるのか?


「はぁ、で?話を戻すけど俺の昼事情を知って馬鹿にしに来たのか?」

「違うわよ、あんたがお昼食べられないかもしれないと思って私が作ってあげたの、感謝しなさい」

「まじか、サンキュ まじで昼飯抜きになるかと思ったわ」

「礼なんかいいわ、今度なにか奢ってもらうから」

「何奢ればいいんだ?」

「そうねぇ、水族館なんてどう?この前行ったところ楽しかったから」

「また高い所を金足りるか?」

「足りなかったら私も払うから」

「それならいいか」

「なぁ、それってあれだろ?デートだろ?」

「「これは弁当の借りを返すだけそれ以外のなんでもない」」

「なんというシンクロ率!」

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仲直りをしたい僕(私)達 永井誠 @sphyria

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