このお話は、最初は形だけの夫婦だった二人が、本物の夫婦になるまでの物語です。
最初から最後まで、本当にじれったくてもだもだします。
ほんっとうに!もだもだします(笑)。
ですが、それが良いのです。
夫のアドルは何かというとタイミングが悪く、どんどんと妻であるフェリエナに誤解に次ぐ誤解をさせます。「しっかりしろ!」と応援せずにはいられません。
そして妻であるフェリエナの方も、実は結構タイミングが悪いです。「どうしてそこだけ!?」という様な場面がかなり散見されます。
二人共互いを思い合っているのに、二人して言い回しが厄介過ぎて誤解を重ねていく様は、見ていてとても焦らされます。
だからこそ、本物の夫婦になった時の喜びはひとしおです。
時にシリアス、時にコメディ、時にハラハラ。
でも、最後はきっと幸せな気分になれます。
是非とも、じれじれもだもだしながら、最後の結末を見届けてみてください。
まるで絵巻の様に情景が浮かび上がる、素敵な物語なこと間違いなしです。
結婚、それは想い合う二人が生涯を共に過ごすための誓い……なのですが、そこに必ずしも幸せがあるとは限りません。
理由あって周りから奇異な目で見られ、一人の求婚者も現れない、令嬢フェリエナ。そんな彼女にも、ようやく結婚を申し出てくれる男性が現れます。領主の青年、アドルです。
しかし彼は、持参金目当ての求婚でした。
はい、おそらくこれを読んだ方はアドルって最低のやつだなと思われたでしょう。フェリエナも、せっかくの新婚生活にもかかわらず心苦しい思いをする事になります。
ですが、苦しい思いをしているのは彼女だけではないのです。アドルもまた、色々な事情を抱えて苦しんでいるのですよ。本当はフェリエナの事をちゃんと想っているのに。
夫婦なのにすれ違い、じれったさともどかしさが募る。そんなおかしな結婚生活に終わりは来るのか?
結婚から始まる、すれ違いカップルの行く末をどうか見守ってやってください。