第二幕(現代)
第十五場 『最後の儀式』
(幕間・インターミッション。途中から10年前を表す子守唄調)
(第二幕 始)
○現代・地下牢〜空の街
はじめ、舞台中央のリュイスだけが照らされる。
その明かりの中に、リュイス母・キヤが入ってゆき、愛おしそうにリュイスの頬をなでて、去る。
【SE:さざ波の音】
♬夢の在り処
【海辺の街の主題】家族に取り残された少年の歌。
リュイス"聞こえる 遠くから 海風のメロディ さざめく波は あの向こうにある"
"古い祈り 込められた 不思議な本 暖かい声 子守唄みたい"
"荒波の向こうには 新しい夢がある 誰も死なせない
"古ぼけた この街は 変わること 恐れてる それでも掴みたい 夢がある"
"雲の波間 避けるように 目を伏せて歩く それがこの街 まるで牢屋だ"
"縛られ 禁じられる 夢見ることも 目に見えない カミサマに怯えて
"けど知ってる この山で 見守ってる 人がいる"
"教えてくれた 夢の在り
"ただ一人信じてる 行き先は雲の中 "
"それでもいい ただ一歩 進もう"
"この音色が 響く方へ"
リュイス、書物を握りしめ、戦う決意。
対する民衆は、海の音色を「呪い」のように受取り怯える。
♪彼方からの声
男たち"聞こえる 遠くから 風に乗せて 恐ろしい声 荒ぶる神の声"
全員 "Ah..."
"捧げなくては 我らの祈りを 示さなくては しもべであること"
"従おう 彼方からの声を"
"魂を捧げ 許しを願う 魂を捧げる 明日を生きるため"
間違った信仰だが、それ以外に支えになるものがない人々。間違いを知る術もない。
彼らに真実を教える者も、記録もないのだから。
ワマン"罪を見逃すな 掟破るものを"
クラーク"踏み入るな 聖なる御山のみもと 天罰が下るぞ"
民衆 "掟を守らなくては! 踏み入るな 御山のみもとへ"
女性たち "怒れる狼が 我らの喉に食らいつくぞ"
男性たち "怒れる狼が"
民衆 "我らの喉に食らいつくぞ"
ワマン "乙女を送る 花道を"
ルントゥ "目を閉じて ただ祈りを"
コイユール"全て託す 『暁の乙女』"
ケミィ "心閉ざして 踊るの……"
アントニはその様子を見て、町の人々はかつての朋友・ロドルフォと同ように魂を縛られていると確信する。街を変える友人・リュイスを得て、アントニは自分のすべてを掛ける決意をする。
【死者の主題】選べぬ民衆は生ける死者である。
民衆たち"Ah..."
【鳥の歌の主題】アントニはチャスカたちの祈りを胸に、魂を捧げる決意をする。
アントニ"これが夢見た 楽園の果て 君が愛した街"
"失われた祈り 記憶も過ぎ去って"
リュイス"諦めない 抑えない この心"
アントニ"託され 紡いだ愛 伝えよう"
"ここで貰った笑顔 子供たちに返すよ"
アントニ、ロドルフォの居る祭壇を見る。ロドルフォは、いまだアントニの存在に気づかない。そして、民衆たちは死《を恐れるあまり心を閉ざす。
民衆たち"掟を守らなくては! 捧げよう 今日こそ 報われる"
"他に 道などない"
クラーク"神よ 救いを 与えたまえ"
民衆たち"気高き魂は 山へと還り 永遠とわに 眠る"
ケミィ、クラークらとともに儀式の準備へ。
ロドルフォは神の祭壇に居座り続ける。
場面は、リュイスの繋がれた地下牢へ戻る。
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