第10話 こんな異世界スローライフも悪くない

『ゴロゴロ』


気持ち良さそうに、胡坐をかいて座る俺の太ももをベッド代わりにして

魔猫ブルちゃんは喉を鳴らして御機嫌だ。


名前も決まったしな。『魔猫ブルーアイ』


「おーよしよし。ご機嫌ですね~ブルちゃん。可愛いね~?」


なでなで、モフモフ。

(俺も愛猫に絶賛癒され中です! 最高ですね)


……コホン。

お次は「幼女」こと孤児のミサちゃんの番だ。


年齢は推定5歳(元が捨て子だった為詳細は不明)

大人しい女の子だ。


おままごと遊びも、1人で人形を相手にしてずっと出来ちゃうタイプ?


淡緑色の髪は、腰の辺りまで伸びていて両目はパッチリ。

きっと将来は美人さんになりそうだ。今でも超キュートな幼女である。


孤児院では基本的に目立たない子だが、夜に子供部屋を抜け出しては、

お散歩冒険と洒落込む大胆な所もあるらしい。


この子は「今回の件ネコちゃん救済」を通して

確かExスキル覚醒していた。

魔力増幅系マナブーストかな?


神聖魔法も獲得し、魔猫とも何となく意思疎通が出来ているようだ。

動物共感スキルかな? 何となく感情が伝わる感じかな。


女神様とも、神託スキルでコンタクトも取れるようだ。

覚えたスキルや、今回の件は誰にも内緒だと説明されている。


俺の事は

『女神様の代行者のお姉ちゃん?』 

所謂聖女的な? と思っているようだ。


キラキラした目で、そんなに俺を見ないでくれ。

(現時点での俺は、実は女神様のヒモ状態なんだ。すまない)


2人と1匹と1女神様ここだけのの秘密にする!

という誓約を女神様としたようで、とりあえず問題はクリア。


5歳の女の子が、神聖魔法が使えて女神様とも意思疎通が出来るとか、

周囲の人間にバレたら、絶対に放ってはおかない。間違いない!


聖女ミサ様じゃ~!!! とか大騒ぎになる。きっと。


それだけは、絶対に避けなければ。

しかるべき時まで責任を持って、俺が守っていくのが筋だろう。


俺の生活が安定したら、孤児院から引き取るのも良いかもしれない。

その為には、やはりお金だ。


冒険者ランクを上げ、依頼をこなし報酬を得て、まず生活を安定させよう!


俺はこの世界で、ずっとボッチ状態が続くのかと思っていたけど。

案外……賑やかになってきたじゃないか。


俺と魔猫と女の子、たまに女神様。


きっとこんな異世界スローライフも悪くない。

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主人公は『ペットや家族と異世界スローライフ』を楽しみたい! 動物に癒されたい @gouda4649

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