口実

勝利だギューちゃん

第1話

私はかねてからの疑問をクラスの男の子に話してみた。

「ねえ、空はどうして青いの?」

彼は答えた。


「太陽の光の青い光が空気の中を通る時に・・・」

予想通りの返答だった。


「いや、そういった学術的な意味ではなくて・・・」

「じゃあ、何?」

私は続けた。


「よくできてるよね」

「何が?」

「もし空の色が、紫だったら、どうかな」

「それは少し、嫌かも」

彼は言った。


空は青い。

だからこそ、人類が空への憧れが強かったと思う。


空を飛びたいと思い、宇宙への憧れも強くなった。

そして、飛行機を発明し、ロケットも発明した。


鳥も飛ぶ必要はなかったかもしれない。

鳥は恐竜の子孫というので、恐竜は滅んでいなかったかもしれない。


もし空が青くなければ、海の色も必然と変わっていた。

となると、かなり不気味だ。


「ねえ」

「何?」

「今度、私と空を見に行かない?」

「空はどこでも、見えるでしょ?」

「こんな汚い空気の空ではなくて・・・」

「うん」

「もっと、奇麗な空のあるところ」

「知ってるの?」

「うん」

「なぜ僕を誘うの?」

もっともな質問だ。


「それはね」

「うん」

「君の心が汚れてしまったからだよ」

「どうして、僕の心が汚れていると言えるの?」

「それはね」

私は間を置いて、答えた。


「君の心が汚れたのは、私のせいだから。

なので、責任はとる」


口実だった。

彼はわかってくれたかな?

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口実 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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