ひとりごと

三つ目

人間関係で一番やってはいけないことは「他人の立場になって考えること」だと思うのです。

「他人の気持ちになって考える」というものもよく聞くけれど、そもそもそんなこと不可能です。こう思っているのかもしれない…と考えることはできるけれど、それは結局想像の範疇なのです。相手にどんな感情なのか教えてもらったところで、できるのは最大でも疑似体験で、言語化される前の感情は分かりっこない。

でも、私が「他人の立場になって考える」ことをだめだと思うのはまた違うことなのです。

他人の立場になっても、結局考えている主体は自分なのです。

そんなの、どんどん自己中心的な考えになるに決まっている。

あいつが俺のペンを勝手に使ったんだ。

相手の立場に立って考えなさい。

僕は人が僕のペンを使ってもなんとも思わないよ。どうして君は怒っているの？

閉店後の店舗に人が入ってきたんだ。やめてほしい。

片づけを邪魔されたらいやでしょう？

私はわざわざお越しいただいた方をそんな風に扱いません。あなた方のほうこそ、やさしさが足りないのです。

立場が変化すれど、価値観は変化しないのです。

あなたの正義を振りかざすことが、他人の価値観に侵入していることに気づいてください。