私の死

そこまで書くと、私は一息ため息をついた。

金村が死んでから、慌ただしい一週間が過ぎ、今私は家族と過ごした家にいる。

部屋には私と、死んでいった者達の死に様を書いたノートと、遺産相続用の書類しかない。

机に置かれたそれらを見て、私の自殺家族の人生を振り返った。


彼らは社会によって不幸をもたらされ、社会によって虐げられ、社会によって殺されかけた、社会の犠牲者だ。

だが彼らは強い信念で、社会の犠牲者として生きるのではなく、愛する者のための殉教者として死んでいった。

父の愛情、兄の優しさ、母の思いやり、そして金村の贖罪と純愛。

彼らは、社会の悪によって染められた人生に、死ぬことによって革命をもたらした。

彼らは強かった。

社会の中で、ただ操り人形となり、歯車となり、機械となり、何も考えずに生きている弱き人間とは違う。

彼らは、その意志の強さで革命を起こした、偉大で尊敬すべき革命家なのだ。

だが、そのことを知るのは私だけ。

そして、革命の側で、何とかしようと、革命を起こそうとした強い私ももう消える。

社会の傀儡となる条件は、目の前に広がっている。

書類を書き終われば、金村として生きるための、お金だけが入ってくるのだ。


私は一度、家族と過ごした家を見まわした。

そして、一息ため息をついて、書類に判を押した。

この日、強く、逞しく、尊ぶべき革命家の私は死んだのです。

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自殺家族 nogino @nogino

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