10ページ目 11月23日
二階の芸術コーナーの螺旋階段を上ると、「外国語の本」と書かれた札が下がっているエリアに出る。
特にやることもないので、その中に置かれた本の中から、分かりやすそうな辞書と絵本を何冊か適当に選んだ。
あの鞄に入っていた、誰のものかも分からないカードと同じような文字で書かれているので、恐らく同じ言語だろう。
言葉が少しでも分かるようになれば、あのカードの内容も分かるのではないかと思い、暇潰しがてら意味や読み方を調べつつ、絵本を読み進めている。
全く知らない言語なので、簡単そうな絵本でも読むのに一苦労だ。
だが、幸いにして時間は山のようにある。
誰も邪魔をする者はいないし、座り心地の良い椅子なので、何時間でも座っていられる。
カードの内容や手懸かりには、以前程の興味も無いが、のんびりと謎解きのように未知の言語を読み解くのは、パズルのようで中々に面白い。
おまけにこのところ慣れてきたのだろうか、あれ程気になっていた地下のモーター音も、気付けば大して気にならなくなっていた。
明日には、もう少し読めるようになっていると良いのだが。
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