8ページ目 11月21日

 確信した。

 やはり私の方も、おかしくなっているらしい。


 食事の心配は無くなったようだが、他の機能はどうなっているのだろうかとふと疑問に思い、昨日は丸一日寝ずに過ごしてみた。

 結果は、恐れていた通りである。

 今日の(恐らく) 夜になっても、一向に眠くならないのだ。


 考えてみれば、閉じ込められてから昨日まで、眠くなった覚えもない。

 ただ単に、眠る時間になったから寝ていただけだ。

 もしかすると、食事だけでなく、睡眠についても閉じ込められる前と変わってきているのかもしれない。


 それでも、なるべく毎日眠る時間は作ろうと思う。

 本当の食事はそもそも食べるものが無いので出来ないが、眠ることは何も無くても目蓋を閉じるだけで可能だ。

 モーター音が気になって眠れないこともあるだろう。

 閉じ込められる前のように、日の光を感じながらまどろむことももう出来ない。

 

 だが、眠ることを止めてしまっては、いよいよ私は…自分では無くなってしまう気がする。

 

 そして何より、読んだ本の中身が自由に織り交ぜられた夢を見ながら、その本たちに囲まれて眠りにつくというのは、中々に乙なものなのだ。

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