1刹那の感情
下山 真琴
プロローグ
風が吹いた。
誰かに呼ばれた気がした。
「 」
あの人の声が聞こえた気がした。
勢いよく振り返るが、いつもの人波が見えるだけだ。
「…馬鹿だなあ」
呟いて前を見る。
思い出すは2年前の出来事だ。
あの出来事がなければ今の自分はいないだろう。
そう、あの出来事からもう2年経ったのだ。
夏から始まったあの出来事を。
1刹那の感情 下山 真琴 @muu23
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