第4話 鉱石の惑星 プラネート宙行宅急便
手渡された荷物は10㎝四方の小さな箱。けれど、とても厳重な扱いだ。
「貴重な品なので、丁寧にお願いします」
宇宙港職員、警備員、鉱山主などに囲まれての受け渡しは緊張感に支配されていた。
「人魚の涙は物凄く貴重な宝石なの」
相棒のアンドロイドは舟の金庫を締めて言った。
「ここの鉱夫と恋に落ちた人魚が流す涙の結晶だから」
この星の表面の9割は海で、残りの1割の岩場から地下へ深く掘り進んだ先で貴重な鉱石を採掘している。
海には美しい人魚が暮らしていて、まれに鉱夫と恋に落ちる事がある。けれど、採掘現場は危険が多く命を落とす鉱夫も多い。
恋人を亡くした人魚が、愛しい相手を想って流す涙。
人魚の涙は、血のように赤い宝石。
(299文字)
第51回300文字SS お題「涙」
300文字小説 高杉なつる @naturu-t
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