第3話 薬種の惑星 プラネート宙行宅急便

「この星の物は、何でも薬の材料になるんだって」

 相棒のアンドロイドは、いつもの5倍はある積み込みリストを見ながら言った。


「何でも?」

「どんな物でもです」

 宇宙港の職員も肯定する。


 植物、動物、鉱物、水、海水、その全てに何かしらの薬効成分が含まれていて、薬の材料として輸出されているそうだ。


「それってさ、ここの住人もって事なのかしらね?」


 相棒が物騒な事を言ったが、職員はただ笑って音楽メモリをくれた。


「我々の歌声には心の病や、不眠に効果があるそうです」


 それ以上は何も言わず、聞かず。

 呼吸器系の病に効果があると言う空気を吸い込んで、積み込み作業に取り掛かる。

 何の意味か分からない積み荷が多いので、大変そうだ。


(298文字)

第50回ツイッター300文字SS お題「薬」



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