第2話 夜の惑星 プラネート宙行宅急便

 この星には光りが差し込まない、一日中夜だ。


 宅配宇宙船の補給が始まり、手持ち無沙汰になって外に出た。

 真っ暗だろうと思っていたのに、暖かな橙色の灯りに包まれる。

 街を包むように数え切れない数のランタンが空を舞っていた。


「街中のランタンが灯ってるんだって。年に一度のお祭りの時はこの五倍以上のランタンが空に浮かんで大陸中を照らすんだって」


 相棒のアンドロイドの手には明かりの灯ったランタン。


「次の仕事お祭りの時にならないかな、この五倍の数が浮かぶなんて凄いよね」


 仕事は不定期で確約出来ないが、祭の時期とタイミングが合えば良いと思う。

 俺も見てみたいから。


 相棒の手から離れたランタンはゆっくりと空へと上って行った。


(300文字)

ツイッター300文字SS お題:灯す

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る