ある日の黄昏より
@sizuku_Reku
旅の下ごしらえ
求:やる気のないオタク
「何これ…。」学校の掲示板に小さく張り出されていた部活の紹介の中に目を引くものがあった。一文しか書いていない紹介文、小さすぎて読めない部活の名称、一つだけボロボロになった用紙にたくさんの興味をそそられた。
高一の私、宮田雨実は、オタクである。この事を今までずっと、(正確に言うと中二から)隠してきた。だから、部活なんてとても入る気にはならなかったのだが…。
「どうした、宮田。もうそこに10分は突っ立ってるぞ。」
「…。」
「宮田?」
「あの、先生、この部活ってどこで活動してるんですか?」
「入るつもりか?」
「ええ。その気でいますが。」
「宮田、テニス上手いのにもったいないな~。まあ、もう少しで廃部寸前だったから、お前が入ってくれて嬉しいよ。場所は一番上の階の3階の右の突き当たりの小さな教室だよ、でも屋上言った方が良いんじゃない?よくあそこにいるから、」
「ありがとうございます、先生。」
まだ喋ろうとするテニス部の顧問である担任をほって階段を駆け上がると見慣れない風景が広がっていた。
雲一つない空に浮かぶようにそびえ立つたくさんのビル、ここでだったら何でも出来そうに感じるような比べものにならないくらいの大きさの屋上…表しきれないほどのそれらはまるで布に水が染みこむ時のように自然に私の心を躍らせた。
ある日の黄昏より @sizuku_Reku
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