※資料※ エレナーゼ大陸記 p2


【属性】by 精霊王の統括者ウラヌス



 エレナーゼ大陸の属性について説明させてもらう。以前に説明のあった通り、世界の創始の際、物質を構成するエネルギーは炎・風・水・土・光・闇の六つに分けられた。それがすなわち属性だ。個人は生まれながらにどの精霊かに強い影響を受ける。それを個人の属性という。


 種族によっては、その種族の王と同じ属性にしかなり得ぬものもある。例えば翼族ザナリールの属性は風、鱗族シェルクの属性は水というように。


 では、属性とは一体どんな影響を及ぼすものなのか。まず、一番大きく関わるものはそれぞれの操る属性魔法の系統だ。一般に魔術師ウィザードは、自分の属性魔法と種族の属性魔法しか使うことはできない。精霊使いエレメンタルマスターは他の属性魔法も扱えるが、自分の属性に相反した属性魔法だけは使うことができない。


 例えば、炎の民・人間フェルヴァーの風属性の者が魔術師ウィザードになるとする。彼が使える系統は炎と風のみということになる。もし精霊使いエレメンタルマスターになるとしても、土系魔法を使うことはできないのだ。


 また属性の強弱関係。精霊元素にはそれぞれに強弱関係があり、それは属性の強弱関係として現れることになる。平たく言えば、精霊元素において強い立場にある属性が、その個人の弱点となるわけだ。闇属性の者が炎の攻撃魔法を受けた場合、その者は通常の二倍の被害を受ける。逆に同属性の魔術を受けても影響は半減されるだろう。


 一般的に、個人の外見上の特徴は、生まれついた属性の影響を受けたものになる。髪、目の色はその最たるものだ。もちろん、例外は付き物だし、どっちつかずの中間色の場合もあるが。


 属性というものは非常に重要な意味を持っている。中には弱点を知られまいとして自分の属性を偽る者もいるが、多くは自分の種族、属性に誇りを持って生活しているようだ。


 ※【基本編】属性魔法、精霊 参照






【『無』の属性】by 時の精霊王クロノス



 あれ? ウラヌスってばそこまで言ってくれなかったの? 意地悪ぅ……。


 えーっとですね、属性に関しては今ウラヌスから説明があったと思うんだけど、実はその六つ以外に存在する属性があります。それが『無』の属性……言い換えれば無属性です。

 別名『銀河』の属性とも言われますけど、なぜかというと銀河は運命を定める場所と言われてるからです。……つまり時とか空間とかそういう形のないものをひっくるめて、無属精霊と呼んでるんです。


 無属性のひとは、制限なくどの系統の魔法をも使えるんですよ。もちろん弱点もありませんが、特殊防御も受けられないんです。損得差し引きゼロですね。


 魔法については、無属魔法というのも存在してます。これはほかの属性のひとが覚えることはできません。……いいえ、反則的に覚える方法はあるんですけど、普通のひとじゃムリだし、教えるとウラヌスに怒られちゃうんで秘密です。

 無属の精霊使いは、種族魔法以外の全部の魔法を使えますから、特別に竜魔術師ドラゴンソーサラーと呼ばれてます。


 無属魔法には、時空間・運命さえ操ることのできるものがあります。高位の魔法なら銀河の扉を開くことができるんです。

 竜魔術師ドラゴンソーサラーはそれだけ大きな力を持ってますが、非常に数も少ないですから滅多に会うことはありません。一つの国に一人、いるかいないかですから。


 ボクのお務めの一つには、そういう無属のひとを見守ることがあります。悪いひとに狙われることが多いんです。……特に、永遠の命を望む、寿命が減った魔族ジェマとかに……。






【魔法原理】by 魔族ジェマの王セルシフォード



 エレナーゼの魔法は、存在している精霊や、我々六人の力を召喚して行なわれます。もっとも、属する精霊が存在していなくても魔法が使えなくなるわけではありません。

 属性の説明で度々触れられた通り、エレナーゼ大陸には六つの基本的な魔法系統と加えて無属魔法があります。また、種族ごとに特殊魔法もあるのです。


 魔法はそもそもこの世界を創始した竜族が、願いを叶える力として我々に与えてくださった奇跡を起こす魂の力です。ゆえに魔法の素質は、全ての者に生まれつき備わっているのです。

 それをどの程度引き出すかによって、どれだけの魔法が使えるか違ってきます。たとえ一切努力しなくても、種族魔法は生まれつき使い方を知っている……ということが、それを表わしていないでしょうか?


 ちなみに、魔法を多く扱うものほど魔法に対する耐性もついていきます。これも努力しだいで、向上させてゆくのは可能です。


 ※【基本編】属性魔法、精霊 参照






【精霊】by 鱗族シェルクの女王ディアレーン



 エレナーゼの世界は、精霊たちの営みで成り立っております。雨が降るのは水の精霊のおかげですし、風が吹くのは風の精霊です。それだけではありません、人が生命活動を営むことができますのも属性の精霊たちが送り続けるエネルギーによるからなのです。


 精霊たちは、精霊の門を通って絶えず銀河の中を行き巡っております。それがこの世界に変化をもたらしております。それがゆえにも銀河は、運命を決定する処と言われます。精霊たちが星々の世界を通過する際にどのような影響を受けたか、それが大陸に及ぼす影響に大きく関わってくるからなのです。


 存在する様々な森羅万象には全て精霊が存在しております。一口に精霊と言いましても、その種類は数多くあります。しかし、秩序を保つために創世者は、特に偉大な力を持つ精霊を系統ごとにひとりづつ選ばれました。それぞれがそれぞれの精霊を統括し、統率するようにということです。私たちとよく似ておりますね。


 魔法使いルーンマスターは、彼らの魔力を召還して魔法を使います。最も精霊たちにだって自我がありますから、気分を害するような言動を取ったりなされば力を貸してくださらないかもしれませんわね。


 ※【基本編】属性魔法、精霊 参照


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