※資料※ エレナーゼ大陸記 p1


【大陸史】by 獣人族ナーウェアの王リーズラジェス



 エレナーゼ大陸史については私が説明しよう。

 我々の住んでいるこの世界は、一人の竜族によって造られたのだ。彼は世界に散った諸元素から、六つの種族を造った。そしてそれぞれの種族ごとに一人を選び、無限にも近いその力を六つの属性に分けて六人に与えた。それが我々だ。


 我々は『いにしえの城』と呼ばれる、大陸の中心の竜の島ドラゴン・アイランドにある塔に集められ、力を授けられた。そして今も我々は、月ごとに交代でいにしえの城に赴き、世界の調和を管理しているのだよ。大陸創造の後、我らがいにしえの城に会したときから時が流れ出したので、その時をもって創竜世紀1と呼ぶ。


 我々は六種族の中で協約を交わし、共に協調することを定めた。しかし……創竜世紀860のある日、突然魔族ジェマの王セルシフォードが独立を宣言したのだ。魔族ジェマの民はそもそも他種族を喰らって力を得る民。ゆえに魔族ジェマの独立は平和の消失を意味する。しかも彼は、いにしえの城における管理の務めさえ放棄したのだ。現在彼の行方は全く知られていない。


 現在、魔族ジェマが他種族のものを害したり殺したりするのも、その逆も罪には問われない状態にある。世界は戦乱に覆われ、多くの悲しみ、苦しみが地に満ちている。しかし、魔族ジェマと他の民が共に協調して暮らしてゆくのは本当に不可能なのだろうか……?


 その答えを持っているのは我々ではない。この地で生まれ、この地で生きる君たち自身の中に、その答えは眠っているのかもしれない。


 ※【基本編】大陸史&種族 参照。





【地理】by 翼族ザナリールの女王ウィリルソフィア



 エレナーゼ大陸は、大地の精霊王ミッドガルドに支えられて広がる海と、その中に浮かぶ二つの大陸から成っているの。中心の『竜の島』には、天まで届くほどの大樹ユグドラシルがそびえ立ち、その樹を中心とした原始の森に守られて『いにしえの城』、そして精霊王の統括者ウラヌスの住まう『螺旋銀河の館』があるのよ。


 世界の六方向の端には『精霊の門』が開いていて、絶えず精霊が行き来しているの。それが季節の変化をもたらしているのよ。精霊の門にちなんで方角には名称が定められてるわ。


 ・空方くうほう/空竜の方角=東

 ・地方ちほう/地竜の方角=西

 ・月方げっぽう/月竜の方角=南

 ・星方せいほう/星竜の方角=北

 ・影方えいほう/影竜の方角=南東

 ・海方かいほう/海竜の方角=南西

 ・火方かほう/火竜の方角=北東

 ・天方てんぽう/天竜の方角=北西


  暖

  ↑

湿←+→乾

  ↓

  寒


 それぞれの方角には種族ごとの聖地もあるのよ。いにしえの城での務めがないときは、わたしたちはそこにいるの。城とか館とか、それぞれの好みが反映されていて楽しいわよ。






【暦】by 時の精霊王クロノス



 はい、暦ですか? だってこれ、なんだかややこしいのに……。


 ええと、エレナーゼの暦はですね、単位が『日』なんです。『日』が30日で『月』、『月』が6つで『周期』、『周期』が2つで『創竜世紀』になるんですよ。分かります?


 ・1創竜世紀=2周期=12カ月=360日

 ・1創竜世紀=2周期、1周期=6カ月、1カ月=30日


《第一周期(1-6)》

 1月/フェルヴァー第一月

 2月/ジェマ第一月

 3月/セイエス第一月

 4月/ナーウェア第一月

 5月/ザナリール第一月

 6月/シェルク第一月


《第二周期(7-12)》

 7月/フェルヴァー第二月

 8月/ジェマ第二月

 9月/セイエス第二月

 10月/ナーウェア第二月

 11月/ザナリール第二月

 12月/シェルク第二月


 月ごとの名称は、その月『いにしえの城』で勤めを果たす王にちなんでつけられてます。大陸管理のお仕事ですね。


 エレナーゼ大陸は四季もあるし、住みやすいトコなんですよ。竜の島ドラゴン・アイランドなんて……何にもないし、つまんないし。ボクもどっか行きたいよ……。






【部族】by 魔族ジェマの王セルシフォード



 わたしたち魔族ジェマと、土の民・獣人族ナーウェアには、細かく分かれた部族というものがあります。


 魔族ジェマの場合、気質や住む場所、子孫の成し方、全てにおいて部族ごとに違いがあります。部族によっては性別のないものや子供を作れないものすらあります。国家を作って共に住みますが、同族意識というものは希薄なようです。


 一方、獣人族ナーウェアの民は部族の特徴となっている獣と似通った生活習慣を持っているようです。例えば狼の部族ウェアウルフは村を作って暮らしますし、虎の部族ウェアタイガーは単独で森の中に住みます。


 けれど同族意識が強いので、何かあったときには部族など関係なく、一致協力して事に当たるようです。魔族ジェマの民にも見習ってほしいですね。


 ※【基本編】大陸史&種族 参照






【寿命】by 妖精族セイエスの王ラヴァトゥーン



 エレナーゼの民は種族によって寿命が異なります。全体的に長命ではありますが、平均寿命は人間フェルヴァー獣人族ナーウェアが100年ほど、翼族ザナリール鱗族シェルクは500年ほど、魔族ジェマ妖精族セイエスが1000年ほどのようです。ちなみにこの平均は、病気、事故で死ななかった場合のものです。


 このほか、魔族ジェマには他種族と違う特別の規則が存在しています。それは寿命削減の呪いです。魔族ジェマが他種族の者を喰らって力を得た場合、その魔族ジェマは残りの寿命の半分を断ち切られてしまうのです。


 例えばその時点で10歳だったのなら、その者は505歳に達したとき自動的に死ぬことになります。800歳の時なら900歳になったときです。この計算は単純に1000年から割り出しているようです。


 この呪いを解くことは誰にもできません。解呪の魔法は無効ですし、心を改めて生き直したとしても酌量されることはありません。ただ唯一、無属魔法の中に、解呪という方法ではなくこの呪いの効力を失わせる魔法があると聞いたことがありますが……。


 ※【基本編】大陸史&種族 参照


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