その女の子、最強につき。

第一章 幼少期

第1話 レイラ誕生

この世界はリーン大陸という。

リーン大陸は、オウル王国、ドラゴニア連合、ルーン魔道国、ハルシャ帝国、アーク聖王国の５つの国から為る大陸である。

この大陸には様々な種族が生息するが、すべての種族に「スキル」が与えられている。

スキルには、攻撃系、回復系、日常系など、多くのスキルが存在し、この大陸においては強いスキルほど優遇され、強いスキルは男性が授かりやすかった。

その為、この大陸には男尊女卑の価値観が比較的常識となっている。

そんなリーン大陸を、女性ながら最強の力で冒険していく少女、レイラのお話。

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その日、オウル王国のイシャナ村で新たな生命が誕生した。

「生まれた！！やった！！！レミリア、よく頑張ったな！」

「はい...アナタ....生まれてくれてありがとうね。私の大事な赤ちゃん......」

若い男女の夫婦、何の変哲もないこの二人の間からレイラは生まれた。夫の名前はトビー、妻の名前はレミリア、共にイシャナ村生まれ、イシャナ育ちである。

そして、念願の子どもであった為、夫婦は尋常じゃないくらいの愛情を注いだ。

そんな蝶よ花よと育てられたレイラが三歳になったある日、運命的な出会いをする。

それは「剣」である。

きっかけは、幼馴染のカイルが父親と剣術の鍛錬をしていたことが始まりであった。

カイルの父親、アギルはこの村の守護隊長である。アギルは元王国騎士であり、子どもができたのを機に引退してこの村に越してきた。

そんなアギルの振るう剣は、まるで極限まで磨き上げられた芸術品のようで、レイラの心を魅了した。

その時からレイラの剣は始まった。

その場でアギルに剣を教えてほしいと懇願し、親の反対も押し切って剣の道に進むのであった。