二十二年 三月 「春日傘」

「日傘」は本来、日差しの強い夏の季語ですが、最近は春先から強くなる紫外線を気にして、早めに日傘を使う方も増えてきましたね。「春日傘はるひがさ」に傍題はありません。

 このように季節を先取るような季語は少なくありません。例えば「冬薔薇ふゆそうび」(薔薇は夏の季語)、「冬萌」(下萌は春の季語)、「秋寒」(寒しは冬の季語)




 春日傘ポップコーンをひとつまみ


 春の連休の初日は友だちと遊園地で遊びまくる日。でも日焼けは絶対にしたくないから、お気に入りの日傘を差して来ました。これが手塞ぎで邪魔です。いまも甘い匂いに惹かれてポップコーンが食べたくなりましたが、両手がふさがるから買えません。小さい子のように首から箱を下げるのはさすがに恥ずかしい。友だちが買った箱から、遠慮がちにひとつまみ。うふふ。美味しい。




 洋食店ランチの列に春日傘


 いつも繁盛している職場の近所の洋食店、お持ち帰り用のお弁当にも長い行列ができます。ところが今日はラッキーなことに早くから列に並べました。ただ問題は直射日光を浴びるであろう待ち時間、こんなときこそ日傘は欠かせません。後で同僚に「すごい嬉しそうな顔で並んでたね」と笑われました。日傘差してたのに見られてしまったなんて。




 ☆ 春日傘ふわりと浮かす朝の風


 日傘は軽くないと困ります。何度も差したり畳んだりしますからね。

 今朝も家を出た途端に夏のような日差しを浴びて、急いで用意しておいた傘を差します。そこに朝の風が吹き抜けてゆきました。花の匂いがする。何だろう。わかった。夏みかんだ。夏みかんの花の香りは甘くて清々しいのです。風向きと逆の向きに傘を持ち替えると、傘がふわりと風に浮きました。佳作でした。



 

*** お知らせ ***


 六月十五日から始まりました「俳句スイッチ」ですが、次回を持ちまして終了させていただきます。詳しくは次回の俳句スイッチで!

                    つづく

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