二十一年 八月 「立秋」
「立秋」は二十四節気の一つで新暦では八月七日頃。暦の上ではこの日から秋に入ります。<秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行・古今集> この歌のように、まだ暑さは厳しいところだが秋の気配を感じるというのが立秋の本意です。秋の気配を感じさせるものに「風」があります。(俳句歳時記・秋 角川書店 より抜粋して引用)
立秋の傍題には、秋立つ、秋来る、
立秋やパラリンピックの車椅子
去年、日本でオリンピックがあったこともたちまち過去になってしまいました。オリンピックそのものが夏で、オリンピックが済んだら秋になっちゃったみたい。
一番印象的だったのは、個人的にはパラリンピックです。オリンピックがスポーツ大国のメダル争奪戦に堕ちてしまった今日、鍛え上げた運動能力を競い合うシンプルな戦いは美しかったです。日本のマスコミは自分の国さえ勝てばそれでよくて敵がどれ程健闘しても一言も讃えることなく見苦しいことこの上なかったのに対し、勝者も敗者も同じように讃えられるパラリンピックが尊く感じられました。国立競技場の倉庫に観客用に用意された車椅子がしまわれていて、お祭りは終わったんだなあと、しみじみしている心境を詠みましたがボツ。
立秋の朝新しきハイヒール
まだまだ暑い日々ですが、すっかり秋の気分になったわたしは新しい秋色(どんな色だ)のハイヒールを履いて出社します。まだまだリモートワークは続きますし、マスクも消毒液も手放せませんが、ここでひとつ区切りをつけて、新たな気分で働きたいと思ったのです。履き慣れない靴のかかとがちょっと痛いけれど。
☆ 立秋のカフェ深煎りのカプチーノ
暑い日中はかき氷しか頼みたくないカフェのテラス席ですが、陽が傾いて涼やかな風が吹けば、熱い珈琲が飲みたくなります。カプチーノください。……背広の上着が暑いなあ。見栄張ってテラス席なんかに坐らないでエアコンの効いた店内に入れば良かった。でも道行く人もみんな見てるし、店内が俺の噂で持ちきりだったりしたら気まずいし、頑張ろう。俺はここで命を賭けて熱いカプチーノを飲むんだ。あ、来た。
「お客様、お水を足して宜しいでしょうか」「はい! 氷多めでお願いします!」
(佳作だよ~ん)
つづく
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