二十年 九月 「月」
月と言えば秋の月を指します。「月」はいわゆる雪月花のひとつで日本の美意識モデルのビッグスリー、古来から多くの詩歌、物語文学に取り上げられてきました。そんな相手が大き過ぎてどうしたらいいのか、わからない。有名な句が頭の中をグルグル回るばかり。月が~出た出た、月が~あ出た、あ、チョイナ、チョイナ?
名月や
今夜は満月。月が背中を押してくれると思うと勇気が湧いてくる。頑張れ、わたし。「あなた、ちょっと話があるんですけど」
月渡る大海原や夜光虫
船から眺める月は生き生きとしている。遮るもののない大海原に月を解き放ったようだ。海面に現れた夜光虫の群れが、そんな月を見ている。(残念。夜光虫は夏の季語)
☆☆ ロートレックの猫が見ている月の蝕
暗い裏通りの店の看板にロートレックの描いたネコのポスターが貼ってある。
今夜は月蝕。一度影に喰われた月がまた輝き出すのを、猫はじっと眺めていたっけ。
(この句は「人」入選したのですが、内容に間違いがあります。
わたしがロートレックの描いた黒猫の絵と思っていた『ルドルフ・サリスの「ル・シャ・ノワール」の巡業』という題名の黒猫の絵の作者は、ロートレックではなくて、テオフィル・アレクサンドル・スタンラン (1859-1923)でした。この有名な絵の作者の間違いは少なくなくて、試みにグーグルで「ロートレック、ネコ」と検索するとこの絵がいっぱい出て来ます。おそらくは夏井先生も勘違いされたのだろうと思います。大変、失礼しました)
つづく
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