本編の彩乃ちゃんも健気で切なかったけど、お友達にも同じように切ない春を迎えている子がいた、という物語。親の中での、子であるきょうだいにつけられた序列に激しく共感しました。(私は二人姉妹の妹ですが、両親の姉に対する扱いがまるで女王様で、私は思い通りにならない手の焼く子、という扱いだったので)相変わらず爽やかで涼しげな文章は、読んでいて本当に気持ちがよく、心がキュッと締め付けられるような内容でも、読後の清々しさは変わりません。本編と合わせてオススメです。
母は爆ぜるものなのだ。前作「春と骨」の傍らで展開していた物語。免許を取る事を決める、それだけの中にだって人に見えないドラマがあるのです。鍋島さんの書く話の、こう言うところ好きなんですよね。──あわせてよみたい──「春と骨」https://kakuyomu.jp/works/1177354054887141958