大学編

あれから随分と時間がたった


私たちは高校を卒業していた


彼は二年制の専門学校に


私は四年制の専門学校に通い始めた


お互いに一人暮らしを始め


私たちの家の距離は車で15分くらいだった


私たちは時々あって普通に遊んだ


その時の彼は誰これかまわず女の子を誘っては


自分の要求を満たしていた


彼の噂はあっという間に広まった


その噂は私のところまで聞こえてきた


彼はそういう意味での有名人となっていた


ある時彼の家でDVD を見ることになった


私は眠たくなって先にベットで眠った


しばらくしてキスの嵐に目が覚めた


彼は私の見下ろすようにキスを落としてきた


私が次に目を覚ました時には彼が隣で私を包み込み寝ていた


私が起きたことに気づいた彼は


「ねえ、付き合おうよ」


と耳元でささやいた


どこまで本気かわからない彼に嗚咽がした


私には無理だった


ずっと一夜限りの関係を続けてきた彼を


受け止めきれるほどの忍耐さはなかったし


今まで彼に抱かれてきた私の友だちの顔が浮かんだ


中には本気で彼を好きだった人もいる


でもそんな人に彼は


「お前が俺のこと好きになったらこの関係は終わり」


と冷たい言葉を投げかけた


私はそんな彼と付き合って


関係をもったとしても


最中に色んな人の顔がうかぶだろうし


そんな彼を汚いと思っていた私は


そのまま何も言わずに去った


でもそれは間違いだった




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

彼  シュリんプ @shrinp_kp

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ