第3話
答えはNOだった。
分かっていたことだ。
秋彦には夢がある。
デビューが決まったと教えてくれた。
私は只、秋彦に憧れていただけだった。
私は自爆した。
自分のバカさにやっと気づいた。
本当に大切な人は誰か。
私の全ての細胞が
夏男を指差している。
失ってしまった。
傷つけてしまった。
消えてなくなりたかった。
翌朝、私は教室へ行った。
どこまでも自分勝手な私は
性懲りもなく夏男を感じたかった。
黒板に誰かがメッセージを残していた。
「さようなら」
…夏男?私はその下に書き足した。
「さようなら」
言葉だけでも重ねたかった。
窓から飛行機が見えた。
桜は、まだ眠っている。
これが私の卒業のお話。
明日の黒板 ぴおに @piony
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