第三十九話『感謝』

「おわった」

とシズクが素材をと取り終えて言った。


「お疲れ様!さ、今日も頑張ったしおいしいものを食べに行きましょう!」

とおっとりねお姉さんのハルカが微笑んだ。


-


「おつかれー、今日はよく頑張ったわね!」

と美少女剣士のユカが僕に言う。


僕らは、ワイルドフォックスとビッグワイルドフォックスを倒した報酬を、しっかりもらい、夜ご飯を食べに来ていた。

少しごちそうっぽいお店だった。


「さ、なんでも好きなもの食べていいわよ!」

とおっとりお姉さんのハルカが言う。

報酬をもらったので好きなもの食べて、という。

あれだけ危険なモンスターを倒したのだから、それなりの報酬をもらっているのだろう。


「ケンジ頑張った」

と小さい美少女斧使いのシズクが僕に言う。


「そう?」

と僕は喜ぶ。

シズクは嘘をいったりするタイプではないので、ほんとにそう思ってくれているのだな、と僕は嬉しかった。


「私を助けてくれたし」

とシズクは言う。

ありがとう、でもそれは地雷では!!

と僕は思った。


「あ、お姫さま抱っこの件ね!!」

と美少女剣士のユカが言う。

ほら・・・やっぱり・・・と僕は思った。


「だれでもかれでもお姫さま抱っこするのは、見過ごせないわね!!」

とユカが言う。

両腕を組んでけしからんっと言いたげだった。


「いや、だって・・・ってか、ユカだけならいいの?」

と僕はなんとか言い返す。


「なっ!!」

と美少女剣士のユカは僕の突然の切り返しに顔を真っ赤にする。


「そ、そうね・・・私だけなら・・・」

とユカはもごもごと言った。


「いいのか・・・」

と僕は笑った。


「次からは気をつけるよ!お姫様抱っこはやめて、次は肩車とかにするよ」

と僕は言う。


「なんでよ!」

とユカは笑う。


「それはそれで楽しそう」

と小さい美少女斧使いのシズクは頷く。


「私はされてないのだけど!」

とおっとりお姉さんのハルカは言う。

そう、たしかにハルカの事を抱きかかえて『加速移動 - アクセルダッシュ』で逃げたりはしてない。


「ハルカは後衛だから」

と小さい美少女斧使いのシズクが言う。


「そっか、前衛の二人は役得ね」

とハルカは微笑む。


「ハルカさんまで何言ってるんですか」

と僕は笑う。


「ケンジくんはみんなを助けてみれたのよね!私からお礼を言うわ!素直になれないユカちゃんの代りに!」

とおっとりお姉さんのハルカは微笑みながら言った。


「な!何言ってるのよ!私も感謝してるわよ!!あ、ありがと・・・」

と照れながら僕の裾をぎゅっと掴む美少女剣士のユカ。


「か、かわいい・・・」

と僕はつぶやく。

美しいほどのツンデレだった。


「な、何言ってるのよ!!」

とユカが言う。


「私も感謝してる」

と小さい美少女斧使いのシズクも言った。


「すごい!美少女に感謝されまくってる!こ・・・これが異世界!!」

と僕は呟いた。

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異世界に転生した僕は『敵を倒すとかならずスキルを手に入れる』チートな能力で無双する! なかの @nakano

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