第三十八話『勝利』
いまだ!!
「おおおぉぉぉぉぉぉ!!」
と言いながら僕は、ビッグワイルドフォックスの後頭部にパンチを繰り出す。お世辞にもよいパンチとは言えないが、それで十分だった。
「電撃をまとったこの拳ならパンチ力は関係ないよね!!」
と言って僕は、『雷迅 - ライトニング』を纏った拳をビッグワイルドフォックスの後頭部に当てたのだった。
-
バチィィィィィィン
大きな音がなった。
僕が繰り出した『雷迅 - ライトニング』を纏ったパンチがビッグワイルドフォックスにヒットしたのだ。
「やった!!」
と美少女剣士のユカが喜ぶ。
その直後。
グラッと世界が傾いた。
そう、それは正確にはビッグワイルドフォックスが傾いたのだった。
「よし!」
と僕が言いながら、ビッグワイルドフォックスから、飛び降りる。
根性のある、相手を倒すには、気を失わせるような攻撃が必要だった。
今回は移動スキルを組み合わせて、ビッグワイルドフォックスの頭に直接電撃を叩き込むという作戦を選んだのだった。
そしてうまく成功した。
「やった」
と僕がつぶやく。
「今がチャンスよ!」
とおっとりねお姉さんのハルカが皆に言う。
「わかってるわ!!」
「わかった!」
と美少女剣士のユカと小さい美少女斧使いのシズクがうなずきながら、気を失って倒れている、ビッグワイルドフォックスの元に向かって最後の攻撃を加えた。
「グオォォォォォォ」
ビッグワイルドフォックスはその瞬間、意識を一瞬取り戻し、最後のうなり声をあげて、たおれた。
「や、やった!!」
と僕が言う。
「やったわね!」
と美少女剣士のユカが言う。
「倒した」
と小さい美少女斧使いのシズクが頷いた。
「想定外だった、ビッグワイルドフォックスもなんとか倒したね」
と僕が言う。
僕のスキル『完全獲得 - パーフェクトスキルゲッター』を使って、ワイルドフォックスをたくさん倒しスキルをたくさん覚えるだけのつもりだったのだが、思わぬボスの登場でまた大変だったのだ。
「ちゃんと倒せたかしら?」
と美少女剣士のユカが小さい美少女斧使いのシズクに聞く。
倒せたと思っても、実は生きているということがあるからだ。
「調べる」
と言って、シズクは、調べ始めた。
そしてすぐ頷く。
「問題ない」
と言いながら、素材集めを始めた。
シズクはいつもしっかりと素材集めをしている。
あの斧をもっと強くしたいのだろうな、と僕は思った。
すると、脳内に声が響く。
>『圧水鉄砲- ウォーターショット』を覚えました。
「あ、新しいスキルを覚えた。どうやら、移動スキル祭りは終わりのようだ」
そう、『急高跳躍 - ハイジャンプ』、『二重跳躍 - ダブルジャンプ』、『加速移動 - アクセルダッシュ』と移動系の地味なスキルばかりが出ていたのだ。
やっと新しい種類のスキルを覚えた。
「おわった」
とシズクが素材をと取り終えて言った。
「お疲れ様!さ、今日も頑張ったしおいしいものを食べに行きましょう!」
とおっとりねお姉さんのハルカが微笑んだ。
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