今まで料理など一度もしたことのないお嬢様と、その料理の行き先が気になって仕方のない、お嬢様大好きな執事との、手料理を挟んだ壮絶な恋愛小説である。ラブコメ……という名の。

　食べてほしいと願うお嬢様のためなら、たとえ火の中水の中、危険な罠の匂いを感じつつも、出された料理に手を伸ばします。慎重に様子を窺うも、お嬢様のかわいさに負け、ついに口にし嚥下する……。

『申し訳ありません、お嬢様。食物兵器かと思いました。私を暗殺なさるおつもりなのか』

　そんな、遺言めいた感想を抱きつつ、そして、心のうちで毒舌を吐きつつ。満面の笑顔でお嬢様を褒め称える主人公。
　次の試練が、その先に待っているというのに……。

『ああ神様、あんまりです。どうかお嬢様をいかず後家にして下さい！』

　こんなことを考えながらも、次の試練に立ち向かう執事魂は天晴れとしか形容できません。
　がんばれ、執事。その想いはいつかお嬢様に届くはず。その前に、召されるかもしれないけど……。

本当に甘い、甘すぎるお話と言わざるをえません。
なんとなーく話の流れは想像がつくのですが、それを楽しく読むことができます。
短編なのにキャラがたっていて印象に残りました。二人ともかわいいです。
お話だけでなくキャラや文体も含めて、読んだあとにもこれだけ記憶に残っているのだから、これは文句なしに星三つと完敗の気分です。
まさに必殺のKOです。

文字通り「必殺」です！色んな意味で。ほのぼのとした物語で、読むと幸せな気分になります。お勧めです。

一生懸命がんばる可愛いお嬢様と、ちょっと暴走気味な執事な二人の物語。
二人の空気も甘ければ、物理的にクリームも甘い。

だぶるパンチを喰らうことになるであろう周囲の人たちからすれば堪ったものじゃないだろうなと心配に……。
ところで、料理の際に味見は重要ですよお嬢様……。

褒めてます。
本当に褒めてます。

最初は普通のドジっ子令嬢と低燃費系執事のお話かと思いましたが、
その執事がだんだんぶっ壊れていきます（笑）
執事の繰り出すハイテンションっぷりが非常に楽しく、またお嬢様のぶっ壊れ料理スキルの描写も面白可笑しく、もう最後までニヤニヤニヤニヤしながら読ませていただきました。

お嬢様の作るスイーツもゲロ甘でしたが、展開もゲロ甘でした（ごちそうさまでした）

表題通りのお嬢様と使用人が、全編に渡って甘々（？）なやりとりを繰り広げてくれます。
タグに「かってにやってろ」とありますが、まさにその通り。やってられるか(　ﾟдﾟ)
でも、なんだかこう、可愛くも感じてしまうような、いろいろな思いを抱いてしまう、不思議な魅力のある短編です。