サイパンへの修学旅行のため飛行機内に乗り込んだ間藤中学二年二組。
だがそこに悪の組織が攻撃を仕掛けてきて……魔法少女としての正体を隠す生徒、春風若葉は皆を守るために変身する決意をする。
だが、同じく闘志と魔法の力をその身に秘めて立ち上がる者が……そして波乱の物語がスタートする。
序盤は「あー王道だな」となりながら読み進めていくと「あれ?」とか「うん?」となって「あー……」とか「Oh……」とか思わず口に出したくなること請け合い。
さながら某少年漫画でお母さんを人質に取られたシーンのような絶望感とともに、だんだんと目を覆いたくなるようなかわいそうな展開が続きます(誰がとは言わない)
これ以上はネタバレなので言えませんが、なんといっても目をバトルシーンでしょう。
回を進めるごとに様々なギミックの魔法の技術が登場し、高速で行われる空中戦や機動戦は、畳みかけるように力強く物語を牽引していきます。
魔法少女物をよくわかっているネーミングセンスや展開がある一方、少年のハートを熱くさせるロマンも持つ、類を見ない名作です。
そうだった。修学旅行なんだよ、これ。とか、思わず違う世界に飛び込んでしまう突飛な設定の、でも、細部までの設定が凝った一作です。
物語には、複雑なものと、ワンアイディアがありますが、この物語は後者ですね。ワンアイディアを巧く昇華し、面白みを持たせています。
それもちゃんと物語レベルに構成して、それでいて分かりやすい「笑い」が心地いい作品です。
みなさまが仰っている第6話は衝撃! それに、悪の結社のお名前! ええ、言わずもがなのネーミングに、この作者さまはどれだけのエンタメ性を与えてくださるのかと……作者さまの作品の方向性はオリジナリティが高く、料理が巧くて好きなのですが、今作も素晴らしく面白いです。
修学旅行です。わいわいがやがや。
でも、ちょっと違うんです。
幼少に見た、仮面***-や、マジカル***など童心を思い出させてくれる久しぶりのワクワク感が詰まっています。
なんせ、クラス全員が――
表現の仕方も、新しく、きちんと計算されています。
数えてみてください。ちゃんと、全員揃っています。
何のこと? とお思いならその勢いで読んでみてくださいね。
驚くこと請け合いですから。