第4話 辛口おてんば少女
「ちょっと無視しないでよ!!」
ドアの前で少女が叫ぶ。 さっきまでの凍りついた空間も解除されたかのように皆が動作し始めた。
「デレちゃん」
「あら白雪じゃないの、人見知りのあんたがなんでこんなとこいんのよ」
「で、デレちゃん??」
聞き覚えのない名前にグリムが困惑。
さてこのデレちゃん。ツンデレなのか、ヤンデレなのか、はたまたデレデレなのか
「そうよ!私の名前はシンデレラ!!この国の姫争いの残り2人まで残った超超超優秀な美少女とは私のことなのよ!」
残念、答えはシンデレラでした。
彼女はシンデレラ。おとぎの国のお姫様争いで最後の2人にまで残った美人さん。 皆からは『デレちゃん』の愛称で呼ばれている。
「あ、この子こんなに威張ってるけど本当は物凄いかまってちゃんだから」
「ちょちょちょちょアリス!?余計なことは言わないで!!! そそそそそこの少年、こいつの言っていることは嘘よ!私がこの国で2番目に可愛いからって嘘ついてるだけなんだからね!!!」
やっぱりツンデレちゃんでした。
と、ここでグリムは白雪の震えが止まっていることに気づいた。
「ねえ白雪」
「ひゃいっ!」
突然呼びかけられたからか少しは驚いたものの、さっきまでのように震えることはなかった。
「もしかして白雪がなんで震えてないのかって思ってる?」
人の心を読んだかのように、シンデレラが尋ねる。
「そうでしょうそうでしょう!何故さっきまで白雪が震えていたのに今は震えていないのかって思っているでしょう!!」
「う、うん、、、」
「ずばり!それは私がここにいるからです!!」
「………………へ?」
いまいち言っていることがよく分からない。 シンデレラがここにいる。それが白雪の震えが止まるのとどう繋がるのかがよく分からなかった。
「あのねグリム、白雪が震えているのは、、、、、、」
「私のオーラが貴方達の負のオーラをかき消して白雪を笑顔に、、、、、、」
「このツンデレラの言うことは気にしないで」
「つ、ツンデレラじゃなくてシンデレラよこのピンクリボン!」
「あぁ、あんたいつ私のパンツ見たのよ!!最低!!」
「足組んでいかにも見て欲しいって感じにしているから私が見てあげたのよ感謝してほしいくらいだわ!」
「誰が見て欲しいって言ったのよ幻聴でも聞こえたの耳悪いんじゃないの!?」
「そ、その2人のも落ち着いて、、、」
突然に始まった2人の言い争いに、白雪が止めようとするがその声はこの2人に届かず。
結局最後まで白雪のことについて何も聞けなかったグリムであった
おとぎの国のシュガースイートフラワー 炉璃 @rori
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