桃太郎

誕生

洗濯を終え、帰ってきたおじいさん。

おばあさんに急かされ、早速桃を切ります。

「よし、では切るぞ。」

そして包丁を入れたとき、不思議なことに気がつきます。

「ん？　中空洞じゃあないか？」

そのまま縁をなぞるように切っていくと、真ん中あたりまで行った所で、自重で桃が割れました。

「これは......なんと！」

そこにいたのは元気な男の赤ちゃん。

老夫婦は顔を見合わせます。

「なんでこんな所に赤ちゃんが......。」

そこで、赤ちゃんに添えられた包みを見つけます。

そこには、「育ててあげてください」の文字と、資金でしょうか、この辺りでは珍しい、お金代わりに使われている木の板が入っていました。

この木の板、米の蓄えてある場所が書いてある物で、その米の価値だけ木の板の価値も上がります。

ここまでの手厚いサポート、さらにこの夫婦は子供に恵まれなかったのもあって、喜んで夫婦は赤ちゃんを育てる事としました。

桃は......、赤ちゃんが入っていたのです、何を中でしてたかわかったもんじゃないと、おばあさんが洗って切って周りに配りました。

非常に美味しかったらしく、おばあさんの評判はうなぎ登りです。

......世の中って怖いですね。