第63話 二〇二二年の読破数発表&二〇二三年の読書目標
さて、二〇二三時年も二ヶ月が経ったが、そろそろ二〇ニニ年に読破した本をまとめようと思う。
毎年決めている読書のテーマ、去年は「受賞作」だった。芥川賞と直木賞を中心に、何かしらの賞を採った本を読んでいったのだ。その一覧は以下の通りである。
一冊目 石川達三『蒼氓』(第一回芥川賞)
二冊目 西加奈子『サラバ!(上)』(第一五二回直木賞)
三冊目 西加奈子『サラバ!(下)』
四冊目 ヘミングウェイ『老人と海』(一九五三年ピューリッツァー賞/一九五四年ノーベル文学賞)
五冊目 多和田葉子『犬婿入り』(第一〇八回芥川賞)
六冊目 井伏鱒二『さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記』(『ジョン万次郎漂流記』は第六回直木賞)
七冊目 辻村深月『冷たい校舎の時は止まる(上)』(第三一回メフィスト賞)
八冊目 辻村深月『冷たい校舎の時は止まる(中)』
九冊目 辻村深月『冷たい校舎の時は止まる(下)』
十冊目 吉田修一『パーク・ライフ』(第一二七回芥川賞)
十一冊目 向田邦子『思い出トランプ』(「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」は第八三回直木賞)
十二冊目 小林泰三『玩具修理者』(第二回日本ホラー小説大賞短編賞)
十三冊目 米澤穂信『黒牢城』(第一六六回直木賞)
十四冊目 村田喜代子『鍋の中』(第九十二回芥川賞)
十五冊目 ソン・ウォンピョン『アーモンド』(第十回チャンビ青少年文学賞/二〇二〇年本屋大賞翻訳小説部門)
十六冊目 松本清張『或る「小倉日記」伝』(『或る「小倉日記」伝』は第二十八回芥川賞受賞作)
十七冊目 角田光代『対岸の彼女』(第一三二回直木三十五賞)
十八冊目 伊坂幸太郎『逆ソクラテス』(第三三回柴田錬三郎賞)
十九冊目 村田沙耶香『コンビニ人間』(第一五五回芥川賞)
ニ十冊目 司馬遼太郎『梟の城』(第四二回直木賞)
二十一冊目 三浦しをん『舟を編む』(二〇一二年本屋大賞)
二十二冊目 村上龍『限りなく透明に近いブルー』(第七五回芥川賞)
二十三冊目 山崎豊子『花のれん』(第三九回直木賞)
二十四冊目 木崎さと子『青桐』(「青桐」は第九二回芥川賞)
二十五冊目 伊集院静『受け月』(「受け月」は第一〇七回直木賞)
二十六冊目 恩田陸『ユージニア』(第五九回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門)
二十七冊目 柞刈湯葉 『横浜駅SF』(第一回カクヨムWeb小説コンテストSF部門大賞)
二十八冊目 高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』(第一六七回芥川賞)
以上、二十八冊を読破した。
一年を通して読破した本の冊数は、平均すると三十冊ほどなので、去年は正直少なかった。言い訳をするのなら、コロナに罹って読書どころじゃなかった時期があったり、長編にもいくつか挑戦して、かなり時間がかかったりしたというのもある。
しかし、充実していたのは確かだ。伊坂さんや恩田さんなど、好きな作家さんを読むのはもちろん、名前は知っているけれどまだ読んだことが無かった松本清張や司馬遼太郎の本もこれを機会に読めたのも大きい。私にしては珍しく、二〇二二年の芥川賞の『おいしいごはんが食べられますように』や直木賞の『黒牢城』と言った、この年に出版された本も読んだのも、新しい試みだったと思う。
個人的に、一番の収穫は、向田邦子さんの『思い出トランプ』がすごく面白くて、自分の琴線に響きまくったところだった。図書館で借りて読んだのに、本屋で買ってしまったほどだった。他のエッセイの『転がれ!カクヨムコン奮闘記!』で「おすすめ小説ベスト10」でランクインさせてしまったほどだった。
ちなみに、そのエッセイはこちらにあるので、ぜひ読んでやってください。心血注いで書いたので。
→https://kakuyomu.jp/works/16817330650243035754/episodes/16817330652049558820
それから、読んでいく本はルーティーンを決めていた。例えば、男性作者の昭和に芥川賞をとった『蒼氓』→女性作者の平成に直木賞を採った『サラバ!』→芥川賞・直木賞以外の、例えばノーベル文学賞受賞の男性作者の『老人と海』という具合に、前回に読んだ本と被らないようにしていった。そうやって、幅広い本を読んでいった。
しかし、この縛りが私自身を結構苦しめたのも確かである。あともう少しで今年が終わるのに、ルーティーンが達成できない! という風に、最後の方は焦ってしまい、大分ルーティーンが崩れてしまっている。さらに、『おいしごはんが食べられますように』は、二日間で滑り込むように読み切ったのだが、今年の最後は今年の受賞作にしたいと思っていたので、結果オーライということにしたい。
話は変わって、今年の読書テーマは、「人人」である。ものすごくざっくりと、大きなテーマを設定した。小説というのは、全て人について書かれているのでは? というツッコミが聞こえてきそうなので、もうちょっと詳しく説明すると、タイトルに人を表す言葉が入っているというものだ。
例えば、「人」「人間」「者」はもちろん、「父」「母」のように続柄を表すもの、「私」「彼」などの人称、架空の人物名が入っているタイトルが候補である。現在、『わたしを離さないで』と『フーガとユーガ』を読んだ。ちょっと遅いスピードなので、急いでいきたい。
それでは、今年もたくさんの素敵な小説に出会えますように。
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