第7話 私のショートショートを漫画化していただいた話
カクヨムを始めたての頃、私は自作の短編をまとめておくために、『日常キリトリ線』というシリーズの連載を始めた。
その第三話目として、二〇一六年十月十七日に投稿したのが、「夢の終わり、そして始まり」である。
リンクはこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054881796766/episodes/1177354054881902965
そして、今年の十一月六日、私のツイッターにある絵描きさんからリプライが来た。
その内容が何と、漫画を描く練習のために、「夢の終わり、そして始まり」を描きたいという話だった。
このような申し出は初めてで、私はかなり舞い上がった。
しかも、条件がすごくいい。涙が出そうだった。
話がまとまったあと、リプライをくれたBRENDAさんが、十二日に描いた漫画をツイッターにアップしてくださった。
リンクはこちら→https://twitter.com/xCherrycaRAMELx/status/1061871114727567360
本当に本当に嬉しかった。身に余る幸せだ。
もちろん、いいねもリツイートもしたが、好きな時に何度も見れるようにと、ブックマークすることも忘れなかった。
ここから先は、小説と漫画のネタバレを含めた解説をするので、ご注意を。
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こちらの作品は、二人の人物の会話が、実は夢の中の出来事だったという話だ。
作中で夢のふわふわ感を表すために、地の文は短く、かぎ括弧を使わないなどの工夫をしていた。
そして、三人称だと思われていた語りが、実は一人称だったという展開には、かなり力を入れた。
漫画の方は、正直どうなるのか、全く想像を出来なかった。
作者が言ってしまうのは大分あれだが、小説として読まれるための作品を意識して書いていたからだ。
しかし、BRENDAさんは、漫画としての表現法を存分に使って、この作品を表現していただいた。
不規則に並んだコマ、人物の体の部位のアップ、白と黒のコントラスト、最低限の情報だけで描かれた背景。どれもこれも素晴らしい。
特に、女に言われて、男がこちらを振り向くコマ。鼻から上だけを描いていて、輪郭すら消えているのに、本当に彼と目が合ってしまったかのような、ぞわりとした感覚があった。
また、「私」が眠りについていく様子もまたいい。コマ割りが無いのが、夢へ落ちていく姿をストレートに表現しているようだ。
それとはまた別に、嬉しい誤算もあった。
実は「夢の終わり、そして始まり」を初めて書いたのは、アップした時よりも昔で、世間はまだスマホが浸透していなく、「私」が携帯を開いたと書いていた。
これは後から気付いたので、どうしようかと思っていたのだが、BRENDAさんが漫画でスマホを出してもらえたので、作品をアップデートしてもらったようで嬉しかったのだ。
これが、「今」の物語だという感覚が、漫画によってより濃くなった気がする。
小説と漫画の違いって何だろうかと、時々考えるのだが、八百文字にも満たない、さらに拙作の漫画化によって、どちらの良さもより鮮やかに表現されたようだ。
BRENDAさんには、重ね重ねお礼を言いたい。
漫画化していただいて、本当にありがとうございました!
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