皆で同じプロットにお話を、という大変興味深い企画に参加なさった作品です。プロットは高校生、しかしこのお話は、しっとりとした夜長、外の暗闇から明かりの灯るの部屋へ誘われ、仕事も終わり少し寛いだ素敵な男性の語りに耳を傾ける気分。目の前には大人になってからしか味わえないお酒が照明を反射するグラスを、瞳の中には今に夢中だった頃の思い出の日々を。 いつもは日本酒のあなたも、今日はブルームーン、ご一緒に如何です?
時に、他人の昔話を聞くことで落ち着いたり、共感して自分の糧にできることがあります。このバーに通えば、マスターからそんな素敵なお話が聞けるかも知れません。
わずかな苦味とキレのある爽快感。大人になってから思い返した青春の味はまさに、ジントニックみたいな味なのでしょうか。「お酒」という、高校生とは合わなそうなモチーフを、大人になってから上手く使っているなぁという印象です。ともあれ、主人公にはいつか幸せになって欲しいものですね。だって、ジントニックを飲んでいるのだから。