読了後のレビューです。
物語を拝読させて頂きながら考えていたのは、家族との繋がりや友達と過ごす何気ないひと時についてです。
1日、一週間、一か月と離れただけで、その繋がりやひと時に距離感や気まずさが生まれていくと思うのですが、それが10年以上も過ぎてしまうと、どれだけの距離感や気まずさなのか。
自分に置き換えてみると、それは深い絶望かもしれないし、新しい自分として生きていこうとするひとつの再出発かもしれません。
物語の中で描かれる葛藤や心の動きに、拝読する誰もが時には笑いながら共感することと思います。
そして、主人公に訪れる新たな長い時。
色々と考えさせられながらも、物悲しく温かい読後感。
素敵な物語をありがとうございました。