第4話
彼は消えてしまった。ボクは友達を失って悲しかったけど、ボクの中には物語が残った。彼の語ってくれた長いストーリーが・・。
そうして、いつかボクは思ったのだ。ボクもその世界へ行ってみたいと。冷たい風の吹きつける北の果ての大地へ・・・。
「残念だったわね。雪だるまが消えちゃって・・」本当に残念そうに、おばあちゃんが言う。
今はまだそのときではない。ボクはおばあちゃんを守らなきゃならないからね。彼女をひとりぼっちにするわけにはいかないから、もうしばらくはこの町にいよう。
でも、彼女にもボクの声が届いたらいいのにと思う。ボクがそこへ行きたがっていること。その大地を走りたがっていること。
ボクは夢想する。いつか、大人になったボクが、雪の中を駆ける。北の果ての大地をまっすぐに、何処までも何処までも旅をするんだ。いつかきっと・・。
「北国からきた犬だもの。いつか北へ帰るのよね」
半分眠りについたボクの耳におばあちゃんのつぶやきが聞こえたような気がしたが、もう定かではなかった・・・。
【END】
きみの願い ボクの夢 ある☆ふぁるど @ryuetto23
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