初めはお伽話を読んでいるような感覚でしたが、話が進むにつれて、民謡のような雰囲気が出てきました。
幼い頃信じていた妖精。大人になれば、消えていくその気持ち。
――妖精なんて、居る訳がない。
翌日。
――妖精が居た。
活き活きと描かれる愛らしい妖精たちと、呆れながらもお菓子を作ってくれる優しいお姉さん! ほのぼのしい空気と穏やかな日常風景に、思わずほっこり。
かと思ったら伯爵家からの呼び出し!?
しかもお相手は――10歳の子供!? 驚き冷めぬ内に次々と起こる新事実、そして冴え切った声で告げられた「妻」の言葉。
――妖精は、他にも見える人がいた。
驚きが驚きを呼び、そして最高に愛らしい声音で少年は囁く。
「妻になれ」
と。