第18話 一言の忠告

「それで?お前は咲蕾さんとどーゆー関係なんだ?」

 放課後。俺が帰りの準備をしていると、ひょっこりと現れた健吾が、突然話を振ってきた。

「前に行っただろう?俺は寧々を手伝ってるだけだよ」

「それは正樹に言った奴だろう?そうじゃなくてさー。俺に言ってくれよー。本当の事をさー」

 確かに、健吾には何も言っていなかった。言っても良いのかもしれない。特に悪い事をしている訳ではないし。そう思い俺は、健吾に今回の話、彩さんの話や、寧々が犯人を捜している事、またそれに俺が協力している事をざっと説明した。

「……」

 健吾はその話を聞き、神妙な顔で言った。

「気をつけろよ……誰が犯人かは分からないけど、そうやって捜索するのは危ないと思うぞ」

 いつになく冷静な表情で言った健吾は少し怖かった。俺は「お、おう」と取り敢えず返答し、その場を去った。

「……ふぅ」

 俺は早歩きで下駄箱までやってくると、俺は大きく息をはいた。健吾の言っていたことは間違いではないが、いつもの元気な様子から打って変わった冷静な表情に、少しの恐怖を感じてしまった。

「お待たせしました……どうしたんですか?」

 俺がそう考えながらも校門で寧々を待っていると、寧々が少し小走りでやってきた。

「いや、少し考え事をしてたんだ」

「そう……なんですか」

 寧々は俺の顔を見て心配したようだが、俺は首を振って大丈夫と告げると、安心したような顔をして、横にやってきた。そして今日も、話し合いをしながら帰路きろいた。

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